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【取材】メンタルヘルス対策のための宿泊型研修施設『月と太陽-Mani and Sol-』オープン

投稿日 : 2024.12.13

沖縄県

新規ホテル情報

沖縄県南城市に、メンタルヘルス対策のための宿泊型研修施設『月と太陽-Mani and Sol-』がオープンした。

宿泊だけでも利用可能な2階建てのデザイナーズコテージで、人・企業・地域のポテンシャルを可視化し、ウェルビーイングな未来の旅路をデザインするとのこと。企業の健康経営対策、福利厚生、個人向け宿泊にも利用可能だ。

本記事では、『月と太陽-Mani and Sol-』について、運営元のイーストホームタウン沖縄株式会社代表取締役 相澤和人氏に取材を行った。

▷ 施設URL:https://eht.okinawa/facility/

―――どのようなきっかけや経緯でメンタルヘルス対策のための宿泊型研修施設『月と太陽-Mani and Sol-』の設立に至ったのでしょうか

相澤和人氏:2008年ごろから日本ではうつ病の患者が100万人を超え、自殺者も年間3万人に達する深刻な状況にありました。さらに、神経疾患も増加し、医療費の増大が課題となる中で、国は企業に対して健康経営や働き方改革、メンタルヘルス、福利厚生の充実を促すようになりました。

一方で、旅行という行為自体が人々に「癒し」を与えるサードプレイスの役割を果たしており、自然環境に触れることで脳が活性化し、利他主義が芽生え、免疫機能が整うというAWE体験の価値も注目されています。これらの要素を組み合わせ、旅行に心理的アプローチやウェルビーイングのキャリアデザインスキルを取り入れた施設が必要だと感じました。

また、私自身も旅行業界で30年間の経験を積む中で、「人を楽しませたい」という思いが強くありましたが、上述した外的要因を解決するために「癒したい」という使命感が芽生えました。

その結果、産業カウンセラーや予防医学指導士、第2種衛生管理士などの資格を取得し、心と体を癒すためのプログラムを開発しました。現在は、企業研修や学校研修、まちづくりコンサルティング業務を通じて、この施設を運営しています。

――― 月と太陽-Mani and Sol-での企業研修を受けることで、どのような成果や変化が期待できるのでしょうか

▲ウェルネス・ウェルビーイング講義

相澤和人氏:参加者が自身のバイアス(偏った考え方)をほぐすことができる点が挙げられます。自己理解を深めることで他者との違いを受け入れるパラダイムチェンジ(※1)が可能となり、繰り返し実践することで俯瞰的な視点や中庸(※2)的思考にたどり着くことを目指します。

その結果、心が軽くなり、キャリアデザインを設計する中で「生き甲斐を持った人生」を歩む手助けとなるようなウェルビーイング設計に寄与したいと思っております。

※1:自分の規範やバイアスを外し、他人とは異なることを認識し、転換すること。
※2:「過ぎない」というバランスの良い状態、しかし真ん中の状態でもなく、色々な経験から得る平常心の思考。

――― 他のリトリート施設や研修施設と比べた際の独自性は何でしょうか

▲室内でのマインドフルネス

相澤和人氏:施設のロケーションが持つ非日常的な眺望は、俯瞰的な思考を促すための最高の環境です。デザインにもこだわり、日常生活の中に非日常性を組み込む工夫をしています。

▲ハンモック

設備面では、座禅やマインドフルネスに利用できる座蒲や半畳、ハンモック、個室対応の集中スペース、スクリーンやプロジェクターといった会議用設備、さらには夜景を楽しみながら利用できるバーベキューや焚火セットも完備しています。

また、心理カウンセラーや禅の指導者といった専門トレーナーが対応する点も特徴です。

――― デザイナーズコテージ(宿泊施設)は個人向けの宿泊も可能とのことですが、デザインや機能性においてのこだわりなどがあれば教えてください

▲1階ホール

相澤和人氏:当施設はグッドデザイン賞を受賞しているSTUDIO MONAKAが設計を手掛けており、大きなガラス窓が特徴です。フルオープンとなることで、開放感のあるデザインを実現しています。

▲くつろぎスペース

また、1階にはキッチンや図書室、くつろぎスペースを備え、2階には最大6名まで宿泊可能なフレキシブルな空間を設けています。さらに、夜景を見ながらのバーベキューなど、宿泊者がくつろげる工夫を随所に凝らしています。

STUDIO MONAKA

――― 今後の展望として、「月と太陽-Mani and Sol-」をどのように展開させ、地域や社会にどのような影響を与えていきたいと考えていますか

▲施設全体

相澤和人氏:沖縄県南城市は、久高島や斎場御嶽などの聖地が点在し、精神文化が根付いています。行政や観光協会も「心と体を癒す」というコンセプトを掲げたまちづくりを推奨しており、当施設もその一端を担いたいと考えています。

具体的には、地域資源を活用した研修プログラムや観光体験を通じて、人々のウェルビーイングを向上させるとともに、地域社会の持続可能な発展に寄与することを目指しています。この活動を通じて、企業、個人、地域の三者にとって「三方良し」の社会を実現していきたいと考えています。

■施設概要

施設名称:月と太陽 -Mani and Sol-
所在地;沖縄県南城市佐敷字新里131番地1
TEL:098-943-9331(イーストホームタウン沖縄株式会社)
アクセス:
・那覇バスターミナルより「南城市役所行き」37番・38番に乗車 ― 「新里」バス停下車後、徒歩7分
・那覇空港(那覇市内)より車で約35分(19km)
駐車場:あり
施設URL:https://eht.okinawa/facility/

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