6月30日、宮崎市青島と日向市金ヶ浜に、自然と調和する新しい滞在拠点「1NLDK」が同時にオープンした。移動可能なトレーラー型ホテルを採用し、環境負荷の軽減や地域の遊休地活用を目指すWASHハウスサステナブル株式会社の新ブランドだ。
「1LDK+NATURE」というコンセプトのもと、太陽の向きや眺望を考慮したランドスケープデザインを施し、青島では宮崎観光の賑わいを、金ヶ浜ではサーフポイント直結の開放感を楽しめる。
本記事では、今回オープンした「1NLDK」2施設の開業までの経緯やこだわりなどについて、WASHハウスサステナブル株式会社に取材を行った。
▷ 1NLDK公式サイト:https://www.1nldk.jp/
―――「1LDK+NATURE」というコンセプトは、どのような背景や課題意識から生まれたのでしょうか? また、そのコンセプトは施設設計やサービスにどのように反映されているのでしょうか?

自然の中で過ごせる遊休地活用を目的にしています。別荘として販売することで、一定投資金額を早期に回収、展開をしやすくする形を採用しています。
トレーラーハウスやコンテナをシャーシと組み合わせて移動可能な別荘にし、1LDKというワードで“家感”を演出しています。自然の中に暮らしを持ち込むイメージを提案している、というわけです。
――― 青島と金ヶ浜という2拠点を選ばれた背景や狙いについて教えてください。

青島は宮崎観光のメッカで、地域全体が盛り上がっています。関東や関西から別荘を求める方が多いものの、物件が限られているのが実情でした。そこで、ホテル運用で収益を生み出せる別荘を提供するという流れになりました。
一方、金ヶ浜はステアーズオブザシーという商業施設内にあり、サーフポイントのビーチまで直結。別荘やホテルにとって理想的な立地です。
さらに青島は隣にホテルが、金ヶ浜は商業施設があり、いずれも一定の業務委託が可能な環境を整えています。少ないマンパワーで運用し、オーナーへの収益を確保できる仕組みを構築した、というわけです。
―――「自然と滞在空間をランドスケープデザインする」という方針は、具体的にどのような設計要素やサービス内容に落とし込まれているのでしょうか?

太陽の向きによる日陰の出方や、川や海のビューを十分に検討して配置を決めています。建築物ではないので、設置の向きや位置の自由度が高く、ランドスケープデザインを活かしやすい点が特徴です。
また、できる限り自生する植栽を活用しています。南国イメージを強調するためにヤシの木を植える施設も多いのですが、私たちは従来からそこにいる虫や鳥がそのまま暮らせる環境を残すよう意識しています。
―――“フェーズフリー”という考え方のもと、災害時には仮設住宅や防災拠点としての活用も想定されているとのことですが、具体的な運用イメージや現時点での課題などがあれば教えてください。

現地でそのまま仮設住宅として使えますし、被災地へ移動して活用することも可能です。金ヶ浜については、日向市と災害協定を結んでいます。
今後は、太陽光や蓄電池と連動させて、オフグリッドに近い仕組みの実現も視野に入れています。
―――今後の1NLDKブランドの展開構想について、他地域での展開や新たな取り組みなど、現時点で描いておられるビジョンがあればお聞かせください。

自然に近く、素晴らしいビューを望める立地。さらにトレイルの入り口など、さまざまな場所で展開していきたいと考えています。
また、廃校や道の駅を活用した防災拠点づくりなど、進行中の案件も複数ありますので、ぜひご期待ください。
■「1NLDK AOSHIMA」概要
施設サイト:https://www.1nldk.jp/hotel-list/aoshima
住所:宮崎市加江田 4636-1
宿泊可能人数:4人
ベッド:ダブル×1 セミダブル×1
チェックイン:15:00~/チェックアウト:~11:00
■1NLDK HYUGA
施設サイト:https://www.1nldk.jp/hotel-list/hyuga
住所:日向市平岩 2217-3 ステアーズオブザシー内
宿泊可能人数:4人
ベッド:クイーン×2
チェックイン:15:00~/チェックアウト:~11:00