札幌・中島公園に、新たなラグジュアリーホテル「インターコンチネンタル札幌」が10月1日に開業した。
世界70ヶ国以上で展開するインターコンチネンタルブランドとしては北海道初進出で、札幌市が推進する新MICE拠点「ライラックスクエア」内に位置する。149室の客室や北海道の食材を生かしたダイニング、屋内プールなどを備え、自然美と都市の洗練を融合した空間を提供する。
本記事では、ホテルのポートフォリオ総支配人 ベンジャミン・ライトゲップ氏に取材を行い、開業への思いや今後の展望を聞いた。
▷公式サイト:https://www.ihg.com/intercontinental/hotels/jp/ja/sapporo/spkha/hoteldetail
―――札幌・中島公園エリアを開業地として選ばれた理由と、自然と都市が融合するこの立地をどのようにホテルの個性として活かしていかれるのか、お聞かせください。

【インターコンチネンタル札幌 ポートフォリオ総支配人
ベンジャミン・ライトゲップ氏】
札幌・中島公園エリアは、自然と都市生活が美しく融合する場所であることから選ばれました。公園や豊平川がすぐそばにあり、ゲストは穏やかな自然を感じながらも、札幌の活気あふれる中心地へ数分でアクセスできます。
この絶妙なバランスこそがインターコンチネンタル札幌の象徴的な魅力であり、北海道らしさを映し出す「都会のサンクチュアリ(聖域)」として、ゲストに二つの世界の最良を提供しています。
―――デザインコンセプトに掲げられた「邸宅のような居心地と札幌の自然美の融合」について、空間設計や素材選びにおける具体的な工夫を教えてください。
▼ロビーラウンジ

【インターコンチネンタル札幌 ポートフォリオ総支配人
ベンジャミン・ライトゲップ氏】
9階に設けられた3つの個別ロビーエリアは、「水」「火」「森」をテーマとしています。これらはアイヌの人々の精神性に深く根ざした要素であり、自然に宿る神(カムイ)の顕現とされています。館内のアートワークも北海道の自然美からインスピレーションを受けており、ノーヴァラウンジの天井インスタレーションなどがその例です。
ラウンジの中心には、北海道の代表的な花であるライラックから着想を得た3,000枚の手作りの花びらが飾られています。また、ロビーには札幌軟石を使用し、あえて荒削りの仕上げにすることで、この美しい地域の“ありのままの自然”を讃えています。
―――スペシャリティレストラン「SAWAKA」とオールデイダイニング「AuBlanc」では、北海道の自然や食文化をモチーフにされています。インターコンチネンタルの視点から見て、札幌という土地の魅力をどのように料理やサービスで表現していきたいとお考えですか。
▼スペシャリティレストラン SAWAKA(サワカ)

【インターコンチネンタル札幌 ポートフォリオ総支配人
ベンジャミン・ライトゲップ氏】
インターコンチネンタル札幌では、地域の魅力を料理で表現しています。北海道は日本でも最高レベルの食材に恵まれており、コンテンポラリー割烹レストラン「SAWAKA」では、それらの食材をモダンなアプローチで引き立て、ゲストがこの地の豊かさを革新的かつ親密な空間で体験していただけます。
▼オールデイダイニング AuBlanc(オーブラン)


一方の「AuBlanc」では、季節ごとの地元食材を取り入れた親しみやすいフランス料理を提供し、カジュアルながらも北海道の味わいを楽しめる空間を演出しています。サービス面においても、料理の背景にあるストーリーや職人技を丁寧に伝え、札幌らしさとインターコンチネンタルの洗練さを融合させたダイニング体験を提供します。
―――世界水準のラグジュアリーブランドとしての品質と、地域に根ざしたおもてなしを両立させるために、ホテルとして特に重視されている価値観やサービス方針をお聞かせください。
▼セレニティスイート

【インターコンチネンタル札幌 ポートフォリオ総支配人
ベンジャミン・ライトゲップ氏】
私は常にチームにこう伝えています――「ラグジュアリーとは個人的なものであり、人によって異なるもの」だと。つまり、ホテルとしてはパーソナライズされた先回りのサービスと、本物の体験を重視しています。
当ホテルの中核となる価値観は、「期待を超えること」「細部へのこだわり」「心からの気遣い」であり、すべてのやり取りが洗練されつつも温かみのあるものになるよう心がけています。
―――今後、札幌を訪れる国内外のゲストに対して、インターコンチネンタル札幌ならではの魅力や体験をどのように発信していかれるご予定か教えてください。

【インターコンチネンタル札幌 ポートフォリオ総支配人
ベンジャミン・ライトゲップ氏】
私たちは、ホテルの仕様や技術的な特徴をアピールするだけにはとどまりません。たしかにインターコンチネンタル札幌は、市内で最高レベルの品質を誇るホテルですが、私たちが重視しているのは、「ストーリー性」です。
世界水準の洗練さと、北海道の自然美や豊かな食文化との結びつきを伝えるストーリーテリングを通じて、ゲストに「旅先」としてではなく「心を動かす旅の体験」を提供していきます。最終的には、インターコンチネンタル札幌を「目的地の中の目的地」として、ラグジュアリーと北海道の本質が交差する唯一無二の存在として確立していきたいと考えています。
■総支配人プロフィール

ベンジャミン・ライトゲップ氏
ドイツ出身。マンダリンオリエンタル東京やザ・リッツ・カールトン京都・大阪などを経て、2025年より現職。世界各地でのマネジメント経験を活かし、北海道の魅力を世界へ発信する。
■ホテル概要
名称:インターコンチネンタル札幌
住所:北海道札幌市中央区南10条西1丁目1-48
客室数:全149室(スイート13室含む)
レストラン&バー:北海道の豊かな食材を活かしたダイニング、バー、ラウンジ
クラブインターコンチネンタル:最上階に専用ラウンジを備えた特別フロア
その他施設:屋内温水プール、フィットネスジム、テラスラウンジ、ブティック
公式サイト:https://www.ihg.com/intercontinental/hotels/jp/ja/sapporo/spkha/hoteldetail