(出典:Barceló Hotel Group)
ピレネー山脈の雪景色を背景に、アラゴン峡谷に横たわる美しい建物、カンフランクステーションは、かつての鉄道駅から豪華ホテルへと生まれ変わった。1928年に開業し、国境をまたいでフランスとスペインの接続地点として利用されたカンフランクステーションは、第二次世界大戦中に逮捕、スパイ行為、金密輸の舞台となっていた。長らく放置されていたが、バルセロホテルグループが運営するホテルへの改装が決定。2023年1月に宿泊客を迎えることとなった。
鉄道マニアや歴史ファンにとっては必見の場所であり、地元住民も熱狂的に歓迎している。建築家フェルナンド・ラミレス・デ・ダンピエールが設計した駅は、廃墟時代からも人気の訪問地であった。再生事業後もカンフランクステーションは壮観で、多くの宿泊客が訪れている。
ホテルの内装は、マドリードを拠点とするデザインスタジオ「ILMIO DESIGN」が手がけ、20年代の雰囲気が漂っている。色彩や色調は、周囲の大自然を彷彿とさせるもので、客室は全104室で、そのうち4室はスイートルーム。プールや三つのレストランも併設されてる。
(出典:Barceló Hotel Group)
カンフランクステーションは、再生事業により駅としての歴史を保存しつつ、新たな歴史の1ページを開こうとしている。ホテルマネジャーのマリア・ベジョスタ氏は、「建物のDNAや国際鉄道駅としてのスピリットを維持したかった」と語った。
カンフランク市のフェルナンド・サンチェス・モラレス市長はホテル全体に「駅の歴史や鉄道の名残」が感じられ、「大満足」だと語る。また、観光地として「カンフランクの基盤になると期待している」と語った。