中華街やみなとみらいを有する横浜市や侍の古都鎌倉市、海水浴客で賑わう湘南エリア、温泉や遊覧船が人気の箱根など観光コンテンツが多彩な神奈川県におけるホテル開発の現状を各市および横浜市内区別のランキングにてお送りする。巨大アパホテル誕生後の神奈川県内のホテル開発の行方とはー
横浜市が新規開業の7割、増加率では鎌倉市がトップ
メトロエンジンリサーチによると、神奈川県内の新規ホテル開発のトップは横浜市で4,439室/21施設(客室数の増加率は19.5%増)となっている。
2位は箱根町で404室/7施設(同5.0%増)、3位は川崎市で384室/2施設(同5.9%増)、4位は鎌倉市で290室/2施設(同25.6%増)となった。
客室数の増加数では横浜市が他を圧倒したものの、増加率では鎌倉市が25%を超える激増を見込んでいる。
そのほか、小田原市、藤沢市、横須賀市、茅ヶ崎市、逗子市などでも新規開業の予定がある。
神奈川県内の新規開業予定は6,001室/36施設(同10.6%増)となっており、約7割強が横浜市での開業を予定していることとなる。
巨大アパ開業以降は西区、横浜駅周辺エリアで激増予定
横浜市内の区別の順位では、トップは西区で1,788室/7施設(同46%増)と異例の激増を見せる見込み。2位は中区で1,560室/8施設(同12.7%増)となり両区で横浜市内のホテル開発の8割を占めた。
なお、日本最大規模となるアパホテル&リゾート〈横浜ベイタワー〉(2,311室)が中区に9月20日開業予定だが、今回のデータでは直近であり変数として大きいためあえて開業済みの扱いとした。したがって、同ホテルの開業以降において、中華街や横浜スタジアム付近の中区からみなとみらいや横浜駅に近い西区へと神奈川県と横浜市のホテル開発の中心が移行することがわかる。
3位は神奈川区で786室/3施設(同111.5%増)と既存の客室数を上回る新規開業を予定しており、同区でも南部の横浜駅周辺地域で開業が予定されている。
(紫の家マークが新規開業予定ホテル)
出典:メトロエンジンリサーチ
神奈川県の発表によると、2018年の県内の宿泊観光客の延人数は、1,791万人で、前年に比べ126万人の増加(前年比7.6%増)となり、過去最高を更新した。他方で入込観光客の延人数は2億26万人で、前年の延観光客数(2億69万人)に比べ43万人の減少(前年比0.2%減)となっており、新規開業による客室数の増加に見合う宿泊観光客を獲得できるかが焦点となりそうだ。
【合わせて読みたい】