(出典:ナイル株式会社)
ナイル株式会社は、同社が展開するDX&マーケティング事業の一環として、大阪・関西万博に来場した全国の10代から60代の男女550名を対象に、来場の満足度や動機、注目された展示、情報収集の手段などについて調査を実施した。調査は2025年4月18日から19日にかけてインターネット調査によって行われた。
(出典:ナイル株式会社)
調査結果によれば、来場者のうち約半数が「とても満足した」と回答し、「ある程度満足した」と合わせると86%にのぼる高い満足度が確認された。開催前や開幕初期には、準備の遅れや会場設備に対する懸念が報道されることもあったが、実際に会場を訪れた来場者の多くは肯定的な印象を持ったことがわかる。
来場理由として最も多かった回答は「貴重な機会だから」であった。加えて、「目当てのパビリオンや展示物があった」「世界各国の文化や技術を知りたかった」「先端テクノロジーに興味があった」などの回答が上位に入り、来場者が万博ならではの体験を求めて訪れていることがうかがえる。特に、先端技術や異文化理解に関心を持つ層の存在は、万博が単なる観光イベントではなく、知的なレジャーとしての価値を提供していることを示唆している。
なお、来場動機として「仕事の都合で行く必要があった」(2.7%)や「家族の要望や教育、サービスのために」(3.6%)といった受動的な理由は少数派であり、多くの人々が自発的に来場を希望したことが明らかになった。
(出典:ナイル株式会社)
「もっとも楽しかった展示やイベント」としては、海外および国内パビリオンを挙げた回答が8割を超えた。国内パビリオンでは、「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに掲げた日本館をはじめとし、技術やサービスを体験できる民間企業のパビリオンなど、17館が集まっている。海外パビリオンでは、アメリカやフランスといった人気国の出展が注目された。
さらに、3位には会場のシンボルである「大屋根リング」がランクインした。この巨大木造建築はギネス世界記録にも認定されており、そのスケールや建築美に対する感動の声が多数寄せられた。来場者に強い印象を残したことが、調査結果にも表れている。
自由回答においては、日本館の「火星の石」や、アメリカ館の「月の石」など、世界的に貴重な資料を間近に見ることができる体験が高く評価されている。アメリカ館では食事のクオリティに対する好意的な意見も寄せられた。また、注目された展示として、実物大のガンダム像が設置されたGUNDAM NEXT FUTURE PAVILIONも挙げられた。この展示が来場者に与えたインパクトは大きく、日本のキャラクターコンテンツが国際的イベントにおいても高い訴求力を持っていることを示している。
(出典:ナイル株式会社)
情報収集の手段に関しては、Instagramが最も多くの来場者にとって有用とされた。視覚的に情報を把握しやすく、実体験の共有が多いことがその理由とされる。Web検索よりもSNSが重視される傾向からは、リアルな声や鮮度の高い情報を求めている層の存在が読み取れる。一方で、Web検索も20.4%の利用率を維持しており、予約やアクセスといった実務的な情報の取得には引き続き重要な手段とされている。
検索された内容については、「混雑具合」に関する情報が最も多く、次いで「評判」「パビリオン選び」と続く。「アクセスや宿泊情報」「費用」に関する検索も多く、広大な会場を効率的に楽しむための計画的な行動が重視されていることが推察される。
今回の調査を通じて、大阪・関西万博は高い来場者満足度を得ており、順調な滑り出しが確認された。Instagramを通じた情報収集の多さや、文化やテクノロジーへの関心が高い層の来場が多かった点からは、インターネットリテラシーと知的好奇心の強い人々がイベント初期の盛り上がりを牽引している傾向も見えてくる。今後も、SNSを通じた実体験の拡散がさらに広がることで、より多様な層への訴求が期待される。
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