ブッキング・ドットコムは、2025年上半期(1月から6月)におけるアジア太平洋(APAC)地域の旅行動向を発表した。Booking.comの検索データによると、日本は引き続きAPACの旅行者にとって最も魅力的な渡航先であり、国内外双方から高い関心を集めていることが明らかになった。日本に次いで、韓国とタイが人気の渡航先として上位に続いている。
また、同データからは国内旅行の増加傾向も確認された。ベトナム、台湾、中国、香港、シンガポール、インド、日本、韓国、オーストラリア、マレーシアの10市場のうち、8市場で国内旅行先が検索のトップを占めた。海外旅行志向を示したのは中国とインドのみであり、多くの市場で地元滞在が選ばれていることが分かった。さらに、検索上位10位の旅行先のうち、香港でランクインしたロンドン、韓国と中国でランクインしたパリを除き、全てがAPAC地域内の目的地であった。これにより、地理的な近さやアクセスのしやすさが旅行者の意思決定に影響していることがうかがえる。
一方、中国の「国慶節」と韓国の「秋夕(チュソク)」といった10月の大型連休における旅行動向についても分析が行われた。Booking.comの宿泊予約データ(検索対象期間:2025年10月3日から12日までのチェックイン予約)によると、中国および韓国の旅行者に最も人気のある日本国内の旅行先は「大阪」であった。前年同期と比較すると「大阪」の人気が大きく上昇しており、「東京」と「大阪」の順位が逆転した。さらに、昨年はトップ10圏外であった「神戸」が7位に入り、関西方面の人気上昇が顕著となっている。
また、温泉地では10位の「別府」のほか、「箱根」や「由布」もトップ10には入らなかったものの、検索上位にランクインしており、引き続き人気の高い地域として注目されている。ブッキング・ドットコムは、こうした最新の旅行動向をもとに、APAC地域をはじめとする世界中の旅行者に向けて、多様な宿泊施設や移動手段、現地アクティビティをシームレスに提供する体制を強化していく方針である。