2022年10月に日本が水際対策を撤廃して以来、アジアの旅行者にとって日本は人気の旅行先となり、2023年10月のKlookでの日本旅行商品の予約件数は前年同期比で約5倍に増加した。この数値は年末の旅行シーズンのピークに向けてさらに増加する見込みである。
JRパスの値上げは訪日外国人観光客にとって重要な交通手段であるため、多くの注目を集めた。訪日客の25%が利用するKlookは、SNS広告を通じてアジア太平洋地域の18歳以上の日本旅行を計画中の353名の男女を対象に「JRパスの値上げに関する意識調査」行い、JRパスの値上げが訪日旅行に与える影響を調査した。
(出典:Klook)
長年、訪日外国人観光客にとって重要な交通手段であったJRパスは、価格の大幅な値上げを経験し、海外市場でも驚きの声が挙がった。Klookによる緊急アンケートによると、回答者の61%が「次回の日本旅行でJRパスの購入を迷っている」または「購入予定がない」と回答した。
(出典:Klook)
しかし、94%の旅行者が円安などを理由に日本旅行が依然としてお得であると答え、JRパスの値上げが日本への旅行需要に大きな影響を与えていないことが明らかになった。回答者にとっては、新幹線などの代替手段が馴染み深く、実際にJRパスの売上を新幹線の区間片道きっぷが上回る現象がKlookで記録されている。訪日客は柔軟かつ手頃な交通手段への移行も厭わない様子がうかがえる。
日本のインバウンド旅行需要が復活する中、82%の回答者が主要都市以外の地方を探索する計画を持っており、ドライブ旅行を選ぶ人も増えている。一方で、日本の交通システムの利用は難しいと感じる回答者が70%に上り、移動手段の選定において、手頃な料金、予約とチケット引き換えのしやすさ、1枚のチケットでカバーできる都市が重要視されている。
この調査結果は、日本への旅行需要が高まっている現状と、JRパスの値上げにも関わらず、多くの旅行者がまだ日本を割安な旅行先と捉えていることを示している。また、訪日客が日本国内での移動手段として新たな選択肢を模索している様子が伺える。