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JNTO発表:2024年8月訪日外客数が293万人、7か月連続で過去最高更新

投稿日 : 2024.09.27

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JNTOの発表によると2024年8月の訪日外客数は2,933,000人となり、前年同月⽐では 36%増、2019 年同月⽐で16.4%増となった。この結果はコロナ禍以前の2019年月の2,520,134人を約4万人上回っており、7か月連続で同月最高記録を記録している。

(出典:JNTO

2024年8月の訪日外客数は、2023年8月と比較して約78万人増加し、伸び率は36%を記録している。また、2019年8月と比べても16.4%の増加が見られる。一方、2024年7月と比較すると、8月の訪日外客数は約36万人減少している。過去のデータによれば、2023年と2019年の7月・8月の訪日外客数を比較すると7月の方が訪日者数が多い傾向にあるが、それぞれ約17万人と約4万人であり、2024年の7月・8月の差である36万人はかなり大きいと言えるであろう。この結果から、2024年8月の訪日外客数は前年や2019年を上回るものの、2024年全体では減少傾向が見られ、今後の安定した訪日外客数確保には継続的な観光政策やプロモーションの調整が必要と考えられる。

JNTO資料を基に作成)

日本人の出国者数に着目すると、2024年8月は1月から8月までの期間で最も出国者数が多い月となった。2024年8月の出国者数は1,437,100人で、2023年8月の1,200,930人と比較して19.7%増加している。しかし、2019年の出国者数は2,109,568人であり、2024年8月との差は約32%にのぼる。出国者数は安定して増加しているものの、コロナ禍前の水準にはまだ達していない。今後もさらなる回復が期待されるものの、コロナ禍以前の水準に戻るには引き続き時間がかかるだろう。

2024年における訪日外客数が最も多いのは中国であり、同年8月には745,800人が日本を訪れている。これは2023年8月の364,228人を約105%上回る結果である。しかし、2024年7月と比較すると約3万人、2019年8月と比較すると約25万人少ない。前年との比較では大幅な増加を記録しており、2019年ほどの訪日者数には達していないものの、2024年全体としても安定した数の中国人観光客が訪れているため、今後も中国人観光客に対するサービスやサポートが重要だと考えられる。

JNTO資料を基に作成)

訪日者数が多い国は中国だけではない。中国に次いで韓国、台湾、香港、アメリカがトップ5にランクインした。これらの国々についても、2024年8月の訪日者数と2023年同月比、2019年同月比、さらに2024年7月との比較を見ていく。

訪日者数が第2位となった韓国からは、2024年8月に612,100人が日本を訪れた。これは2023年8月と比較して7.6%増加し、2019年8月と比べると約98%の増加である。しかし、2024年7月と比較すると約15万人減少し、2024年1月から8月までの中では最も少ない訪日者数となった。韓国では夏季休暇が比較的短いため、手軽な国内旅行を選ぶ人が多かったことが一因と考えられる。また、8月は台風シーズンであり、特にアジア地域の海外旅行先では天候の不安定さがリスクとなるため、フライトの遅延やキャンセルを避け、天候が安定している国内を選ぶ人が多かったのだろう。

3位となった台湾の2024年8月の訪日者数は564,300人であった。2023年8月の396,346人と比較すると、約42%の増加を記録し、2019年8月と比べても34.4%の増加となった。2024年7月と比較すると約7,000人減少しているものの、訪日者数は安定しており、8月として過去最高を記録している。この結果は、日本各地へのチャーター便や地方路線の増便、さらにはスクールホリデーによるものと考えられる。

4位となった香港からは、2024年8月に246,600人が日本を訪れた。2023年8月の訪日者数は206,267人であったため、約20%の増加となった。また、2019年8月と比較しても約30%の増加を記録しており、訪日者数は好調だといえる。2024年7月と比べると約3万人減少しているものの、訪日者数は安定して20万人を超えており、8月として過去最高を記録したため、さほど大きな問題にはならないと考えられる。

最後に、5位のアメリカからは2024年8月に174,000人が日本を訪れた。これは2023年8月と比べて約26%の増加、2019年と比較しても約48%の増加である。しかし、他国同様に2024年7月と比べると訪日者数は減少しており、具体的には77,200人の減少を記録した。7月と比較して訪日者数が減少した理由としては7月に旅行者が集中したことや、8月下旬から新学期が始まることなどが影響していると考えられる。

2024年8月の訪日外客数は、前年や2019年を上回る増加を見せており、特に中国や韓国、台湾からの訪問が顕著である。しかし、7月と比べると減少傾向が見られ、各国ごとの季節的要因や旅行者の行動パターンによる影響が大きいことが浮き彫りになった。このような状況を踏まえ、今後の観光業においては、さらなる安定した訪日者数を確保するため、国ごとに異なるニーズに対応した柔軟な観光プロモーションが不可欠であると考えられる。また、オーバーツーリズム対策として訪日外客の波及効果を都市部だけでなく、地方にも広げることが重要な課題となるだろう。また、観光需要が減少する時期においても、イベントやキャンペーン等を通じた持続的な対応が求められていくと考えられる。

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