KDDIは、2025年2月21日から26日にかけて、直近3年以内に海外旅行を経験した全国の15歳から69歳の男女1,000名を対象に「海外旅行に関する調査2025」を実施した。本調査は、海外旅行中のデータ通信の利用実態や、旅行先、満足度、トラブル、費用感、さらに今後行きたい地域や旅行に対する意識など、多岐にわたるテーマについて明らかにしたものである。
まず、直近の海外旅行先としては、アジアが63.7%と圧倒的に高く、次いで北米・グアム・サイパン・ハワイ・南米が19.1%を占めた。国・地域別に見ると、1位が韓国、2位が台湾、3位がハワイ、4位がタイ、5位がアメリカである。特に韓国は30代女性において人気が高く、36.0%と全体平均より10ポイント以上上回っていた。
海外旅行で満喫できたこととしては、「グルメ」が53.2%で最も多く、「ショッピング」が41.2%、「リラックス・リフレッシュ」が39.1%と続いた。年代が上がるにつれて「自然・風景」や「リラックス・リフレッシュ」を満喫したとする回答が増加する傾向にあった。訪問先別では、アメリカでは「ショッピング」、ハワイでは「リラックス・リフレッシュ」、シンガポールでは「グルメ」や「文化・建造物」が特に楽しまれていた。(KDDI調べ)
おすすめの観光スポットとしては、韓国では「明洞」、台湾では「九份」、ハワイでは「ワイキキ」、タイでは「アユタヤ」、アメリカでは「ニューヨーク」が挙げられた。それぞれのスポットに対する評価理由として、「一日中楽しめる」「景観が美しい」「綺麗な海で泳げる」「本物のジャズが楽しめる」などが挙がっており、目的に応じたスポット選びがなされていることが分かる。
旅行前にどのような情報収集手段が用いられたかについても調査が行われた。最も多かったのは「ネット検索」で37.1%にのぼり、次いで「旅行ガイドブック・専門誌」(28.6%)、「YouTube」(28.4%)、「家族・友人の話」(25.9%)、「Googleマップ」(22.5%)が続いた。これらの結果から、インターネットを活用した情報収集が主流となる一方で、紙媒体や人づての情報も依然として一定の影響力を持っていることがうかがえる。
年代別に見ると、10代・20代では「Instagram」が31.0%と最も高く、視覚的・直感的な情報収集を重視する傾向が読み取れる。一方で、60代では「旅行会社のホームページ」が30.5%と高く、全体と比べて10ポイント以上高い数値となっており、信頼性のある情報源を重視する傾向が顕著であった。世代ごとの情報収集スタイルの違いは、マーケティング戦略においても重要な示唆を与えるものである。
旅行中にトラブルや困りごとを経験した人は48.9%にのぼり、内容としては「言葉が通じなかった」が最も多く、次いで「予算オーバー」、「交通機関の遅延やキャンセル」といった実用的な課題が挙げられていた。
海外旅行でのインターネットの利用目的では、「地図・ルート検索」が最も多く、次いで「観光情報検索」や「グルメ情報検索」が続いた。若年層では「SNS利用」が最も高く、10代・20代では41.5%がSNSを目的に挙げていた。(KDDI調べ)
旅行費用に関しては、全体平均で31万円、旅行先別では韓国が19万円、台湾が20万円、ハワイが44万円、アメリカが49万円と差が大きく、旅行先の距離や物価の違いが如実に反映されていた。「費用が高く感じた」とする項目では、航空券代(54.7%)、食事代(47.3%)、宿泊代(45.5%)が高く評価され、通信費は31.8%が高いと感じていた。(KDDI調べ)
次回の海外旅行先として最も人気が高かった地域は「アジア」(68.3%)であり、続いて「ヨーロッパ」(42.2%)、「北米・ハワイ・南米」(41.9%)となった。国別では、アジアでは台湾と韓国が、ヨーロッパではイタリアとフランスが人気を集めた。