(出典:JNTO)
日本政府観光局(JNTO)が発表した2025年2月の訪日外国人数は、前年同月比で16.9%増の325万8,100人となった。一方で、前月である2025年1月の378万1,200人からはやや減少が見られた。しかし、コロナ禍以前の2019年2月の実績である260万4,322人と比較しても25.1%増と、全体的な回復傾向は継続している。特に中国市場の持ち直しや米国からの訪日増加が、堅調な回復を支えている。
(JNTOの資料を基に作成)
2025年2月における訪日外客数が最も多かった国は韓国であり、84万7,300人が日本を訪れた。これは前年同月比で3.5%増、2019年同月比では18.4%増と着実な回復を見せている。ただし、前月の96万7,100人と比較すると12.4%減少しており、旧正月の影響など季節要因が影響した可能性がある。依然として韓国市場は日本にとって最大のインバウンド市場であり、安定的な需要がうかがえる。
2位は中国で、訪日者数は72万2,700人であった。これは前年同月比で57.3%増という高い伸びを示しており、コロナ禍以降の回復が鮮明になってきた。ただし、前月の98万300人からは26.3%の大幅な減少となっており、月間の波動が大きいことがうかがえる。2019年2月と比較すると0.1%減にとどまり、ほぼ回復水準に達している。中国市場の本格的な回復が進行する中で、今後の安定性が注視される。
3位には台湾が入り、訪日者数は50万7,300人であった。前年同月比では1.0%増、2019年比では26.9%増と堅調な伸びを示しているが、前月比では14.5%の減少となった。続いて香港は19万5,500人で、前年同月比では5.0%減、前月比では19.8%減とやや調整局面にある。一方、米国からの訪問者は19万1,500人と、前年同月比で28.8%増、2019年2月比では106.6%増と大幅な伸びを見せており、北米市場が堅調に拡大していることが明らかとなった。
これらのデータを基に地域別の回復傾向をみると、アジア市場は依然として日本の訪日需要の中心であるが、月間ベースでは減少傾向も見られ、季節要因や航空便の運航状況、現地の経済情勢などが影響していると考えられる。一方、米国をはじめとした北米市場は安定した伸びを示し、長距離市場としての価値が高まっている。また、中国市場の持ち直しは全体の回復に大きく寄与しており、今後の政策動向やビザ発給の緩和がさらなる回復の鍵となるだろう。
今後の市場動向としては、アジア圏の需要回復を維持しつつ、欧米豪など長距離市場へのプロモーション強化や地方誘客の取り組みを加えることで、持続可能な観光市場の構築が求められる。訪日旅行の多様化と地域分散を促進することで、一時的な波に左右されない強固な観光基盤の整備が重要である。今後も安定成長を目指し、各国市場の特性を踏まえた戦略的な対応が期待される。