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訪日旅行者の意識調査:東アジアと東南アジアで異なる訪日動機と体験

投稿日 : 2025.09.22

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調査

インバウンド

株式会社データスプリングは、自社が保有する「訪日パネル」を活用し、アジア8カ国(タイ・台湾・中国・ベトナム・香港・フィリピン・インドネシア・韓国)の訪日経験者および訪日意向者を対象に調査を実施した。この調査では「訪日前の期待」「訪日後の満足」「購入意向商品」に焦点を当て、比較分析を行っている。

(出典:株式会社データスプリング

調査結果によると、訪日経験者と訪日意向者の間に大きな差は見られなかった。共通して「伝統的日本料理」が訪日前の魅力として上位に挙げられた。地域別では、東アジアでは「温泉」が高く評価され、韓国では「現地人が普段利用するカジュアルな食事」への関心が目立った。これらは地理的・文化的な近さから、観光地だけでなく日常体験に価値を見出していることを示している。一方、東南アジアでは「桜の鑑賞」など季節限定の自然体験への期待が強く、旅行時期によって訪日動機が変化する可能性が示唆された。

(出典:株式会社データスプリング

訪日検討の段階では、日本以外に比較対象として中国、韓国、シンガポール、台湾が多く挙げられた。特に東南アジアでは韓国が圧倒的に多く、距離や費用の近さに加え、都市観光やショッピング、食文化といった魅力が日本と重なる点が要因と考えられる。中国やシンガポールも競合先として目立ち、シンガポールは近代的な都市景観や多様な食文化を備え、東京や大阪と同様に短期間で効率的に楽しめる都市型観光地として比較されやすいことが明らかになった。

(出典:株式会社データスプリング

訪日中の購買意向については、「お菓子」「食品・飲料」「美容・化粧品」が最も多く挙げられ、訪日経験者と意向者の双方で高い傾向を示した。国別にみると、中国では「アニメ・漫画関連」商品の人気が突出し、韓国や台湾では「薬・医薬品」への関心が高い。さらに東南アジアでは「洋服・アパレル」や「美容・化粧品」が上位に入り、地域ごとに異なる嗜好が確認された。

今回の調査から、訪日旅行者の期待や体験が多様であることが明らかになった。訪日経験者と訪日意向者を比較することで、初訪と再訪を考える旅行者の意識や行動の違いも浮き彫りになった。特定の国や属性、商品カテゴリーに焦点を当てた深掘り調査を行えば、より精緻な戦略立案につながる可能性がある。

「訪日パネル」はアジア8カ国で数百万人規模を保有し、一部ではパスポート写真の提出による訪日事実確認も行っている。これにより高品質な調査対象を提供しており、旅行前の意向から旅行後の行動までを把握できる。基本属性に加え、訪日回数や滞在期間、宿泊先、旅行目的、情報収集源、訪日後の印象変化など多様な項目でターゲティングが可能である。そのため、詳細な比較分析、特定層への深掘り調査、未開拓市場のポテンシャル分析など、多角的なインサイトの獲得に活用できる。

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