2023年、株式会社エイチ・アイ・エスは韓国への旅行予約状況を基に、日本からの韓国旅行の動向を調査した。繁忙期の旅行動向については毎年調査・発表が行われているが、この年の特徴はソウルやプサンといった都市への予約が多くなっていることである。コロナ禍前の2019年の水準と比較して、韓国全体の売上高は早期回復を見せた。背景として、K-POPや美容、ドラマ・映画などの「韓流」の人気が増していること、短期の渡航が容易なこと、日本への訪問客の増加に伴う航空便の増加が挙げられる。
調査は、HISで2023年に出発予定のソウル、プサン、チェジュを目的地とする予約者を対象として、2023年8月8日に行われた。
(出典:株式会社エイチ・アイ・エス)
旅行者の属性について、ソウルは女性のグループ旅行が半数を超えている。特に母娘の組み合わせが目立ち、親子の関係性の変化や共通の趣味を楽しむ背景がある。チェジュはリゾート地として家族旅行が主流である。男女比では、ソウルが女性79.4%、プサンが66.0%、チェジュが57.4%となっている。
(出典:株式会社エイチ・アイ・エス)
年齢分布において、ソウルの旅行者は20代が36.5%と多い。学生旅行に適していることやZ世代の支持が高いことが理由と思われる。プサンではアーティストのコンサートや聖地巡礼ツアーが人気である。チェジュでは60代以上の旅行者が34.9%と多い。
(出典:株式会社エイチ・アイ・エス)
商品の分類では、ソウルとプサンは航空券とパッケージツアーが半数ずつであった。一方チェジュは企画旅行の需要が高くなっており、同じ韓国内でも方面により使い分けが発生していることが分かる。
韓国旅行の人気を受けて、夕星社とのコラボで韓国の地方都市を特集したガイドブックが発行される予定である。HISはソウルだけでなく、地方都市の魅力も伝える方針を持っている。