海外から帰国した人のために、国土交通省は、空港からホテルまで送迎する貸し切りバスの運用を予定している。導入は12月16日からとなる見通しだ。
現在、世界規模で新型コロナウイルスの感染が拡大している。そのため、海外からの渡航者にはたとえ検査結果が陰性であっても、入国後14日間にわたり、検疫所長が指定する場所(自宅、ホテルなど)での待機が要請される。その際、到着時の空港から滞在場所までの移動は、公共交通機関によらない手段を入国者が自力で確保する必要がある。
この負担をかんがみ、国土交通省は帰国者などを対象に、成田空港と羽田空港から都内の12のホテルに送迎する貸し切りバスの導入を検討している。乗客はホテルに宿泊する帰国者と入国者に限定し、1日3便の運行になるという。
また国土交通省では、入国者がバスだけでなく鉄道や航空などそのほかの公共交通機関も利用できるよう、各運営機関と調整しているとのこと。
なお、入国者に求められる14日間の隔離要請期間については例外があり、現在、感染が落ち着いている地域との短期出張を目的とした往来(ビジネストラック)では隔離期間が免除される。しかしPCR検査は必要であり、また外出する際は事前に提出した行動計画書に沿った範囲の行動でなければならず、入国後14日間は公共交通機関も利用できない。
現在、来年開催予定のオリンピックに向けて入国規制を段階的に緩和する方向で政府は検討を進めているが、実現にあたっては入国者の感染防止対策への積極的な協力が不可欠となってくるだろう。