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中国人旅行者の訪日意欲高まる:インバウンド予報調査から見る今後の傾向

投稿日 : 2024.08.20

海外

インバウンド

(出典:株式会社博報堂DYホールディングス

株式会社博報堂DYホールディングスの研究開発部門であるマーケティング・テクノロジー・センター(MTC)と、中国のライフサービスオンライン検索プラットフォーム「美団」の広告部門であるSolid Bitは、中国人生活者を対象とした「インバウンド予報調査(第3回)」を共同で実施した。

日本政府観光局(JNTO)のデータによると、2024年1~6月期の訪日客数は1,777万7,200人で、過去最高を記録した2019年同期を上回っている。特に中国からの訪日者数は307万人であり、2019年同期の68%に達しているものの、依然として大きな割合を占めている。また、2024年4~6月期の訪日外国人旅行消費額においても、中国が最も多く4,420億円に達し、訪日外国人の旅行支出の中でも「買物代」が最も高い国となっている。

「インバウンド予報調査」は、中国人生活者の訪日意欲を3か月後の予測として示す「インバウンド予報指数」を算出しており、2024年8月の指数は83.2点となった。これは2023年6月のインバウンド予報指数81.1点からの微増を示しており、依然として中国人生活者の訪日意欲が高いことがわかる。特に、訪日経験が1回の層では9.4ポイントの上昇が見られ、再訪意欲が堅調に維持されていることが確認された。

(出典:株式会社博報堂DYホールディングス

次に、訪日目的に関する調査では、訪日経験者の中で「高級レストランの体験」(73.0%)や「大衆料理の楽しみ」(70.0%)、「温泉入浴」(68.5%)など、体験重視の目的が「買い物」(60.2%)を上回っていることが明らかになった。特に「高級レストランの体験」や「舞台・音楽鑑賞」(22.7%)、「スキー・スノーボード」(22.5%)など、特別な体験への関心が高まりつつあることが分かる。

(出典:株式会社博報堂DYホールディングス

また、訪日意識においても、ショッピングを楽しむ意欲が高まり、相対的に購買意欲の持ち直しが見られた。特に「行ったことのないところを探検する」(60.1%)よりも「行ったことのあるところを再訪する」(39.9%)や「自然な景観を楽しむ」(75.7%)が6.5ポイント上昇し、訪日旅行における体験の重要性が高まっていることが示されている。

(出典:株式会社博報堂DYホールディングス

さらに、日系ブランドに対する買物意識についても調査が行われ、日常消費財を中心とした日系ブランドの買物において、6割以上の中国人生活者が「品質が良く、間違いない」「レビューや口コミが良い」「値段に対しての品質が良い」などを理由に、日系ブランドを選ぶことが購入の決め手になると答えている。また、日本が好きだからという情緒的な理由も3割超を占めており、ブランドイメージと品質の両面でのマーケティングが重要であると考えられる。

MTCは、今後も定期的に「インバウンド予報調査」を実施し、日中クロスボーダー全域におけるマーケティング活動を強化する方針である。

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