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帝国ホテル、元総料理長 村上信夫氏の功績を伝える企画

投稿日 : 2018.12.17

東京都

ホテル内レストラン

“ムッシュ”の愛称で親しまれた、元帝国ホテル総料理長 村上信夫氏(1921年生-2005年没)、激動の時代に料理長を務め、帝国ホテルのみならず日本におけるフランス料理の発展に貢献した。同ホテルは同氏が第11代料理長に就任してから50年目となることを記念した企画を開催。

フランス料理、一般家庭へ日本各地に洋食文化を広げた功績

帝国ホテル 東京の本館1階にある展示スペース「インペリアルタイムズ」では、同氏の功績を振り返る記念展示を開催。

2つのレストランでは“ムッシュ”が残したレシピをもとにした料理を、フルコースやバイキングスタイルで楽しめる。

また、バーでは“ムッシュ”のイメージを元にこの度考案した記念カクテル、ホテルショップでは、料理長時代に宴席などでよく提供していたデザートを持ち帰り用にアレンジして販売する。
同氏は、昭和14年(1939年)に見習いとして帝国ホテルに入社。昭和30年(1955年)から欧州に料理研修で留学し、フランスのリッツ パリでオーギュスト・エスコフィエの直弟子に師事。昭和44年(1969年)に再び欧州へ料理研修に赴いた後、第11代料理長に就任。以来平成8年(1996年)まで26年料理長を務めた。
昭和33年(1958年)、同氏は新たなレストランのオープンにあたり、北欧の伝統料理「スモーガスボード」を研究して、日本初のブフェ形式レストラン「インペリアルバイキング」の開店を主導。日本においてブフェ形式のレストランが「バイキング」として広まるさきがけとなった。
昭和39年(1964年)の東京五輪では、選手村食堂の料理長のひとりとして、さまざまな国の料理を習得するため、大使館を通じ、大使夫人から直接料理を学ぶなどして、各国選手のために腕を振るった。

大会後、同氏の下に日本全国から集まった料理人たちが地元に戻って洋食店を開いたことは、日本各地に洋食文化が広まるきっかけにもなった。また、料理を大量に供給するために、食材の冷凍保存に要する設備や調理法の調査・研究が進められ、同氏は積極的に冷凍食材の使用に挑戦した。これは、その後の日本における冷凍技術の普及を後押しすることになった。
また昭和50年(1975年)に英国のエリザベス二世女王陛下が来日し、同ホテルで開催された午餐会に同氏の書き上げたレシピで提供した魚料理は、今でも女王陛下の名前を冠したメニューとして残っている。
その他、昭和35年(1960年)からNHK「きょうの料理」に講師として長年出演。フランス料理のみならず、一般家庭への洋食の普及にも貢献した。
【記念展示「村上信夫 史料や写真で綴る『人生はフルコース』」】
帝国ホテルのみならず日本のフランス料理の発展に尽力した、故 村上信夫氏。料理だけでなく、その人柄で多くの顧客に愛された功績を、史料と写真で紹介する。
期間:12月26日(水)~2019年10月31日(木)(予定)
場所:本館1階メインロビー内「インペリアルタイムズ」
主な展示物:・直筆のレシピ本や着用したコックコート、勲章など
・1964年東京オリンピックと村上料理長の写真
※鑑賞無料
この他、本館17階「インペリアルバイキング サール」前には村上が中心となり手がけたバイキングレストラン開店の歴史などをパネル展示で紹介する。
■村上信夫氏 プロフィール
第11代料理長/初代総料理長 村上信夫(大正10年-平成17年・1921年‐2005年)
大正10年/1921年 5月27日東京生まれ
昭和14年/1939年 見習いとして帝国ホテル入社
昭和30年/1955年 渡欧し、ベルギーの日本大使館、57年にはフランスのリッツ パリで学ぶ。
昭和33年/1958年 日本初のブフェレストラン「インペリアルバイキング」の開店に尽力。
昭和39年/1964年 東京オリンピック選手村食堂の料理長の一人として活躍。
昭和44年/1969年 帝国ホテル11代料理長に就任
昭和50年/1975年 英国エリザベス女王来日の際の午餐会にて、のちに帝国ホテルの名物料理の ひとつとなる「海老と舌平目のグラタン“エリザベス女王”風」を提供。
昭和59年/1984年 黄綬褒章 受章
昭和60年/1985年 現代の名工 受章
平成6年/1994年 勲四等瑞宝章 受章
平成12年/2000年 フランス農事功労章 シュヴァリエ 受章
平成17年/2005年 8月2日 84歳で永眠

同企画の詳細は、公式サイト参照のこと。
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