ホテル一萬里(株)(長野県佐久市中込3150-1、設立1967年7月、資本金1,000万円)は5月4日、事業を停止し、破産手続きを弁護士に一任した。長野県佐久市で2番目の規模を誇る「佐久一萬里温泉・ホテルゴールデンセンチュリー」(長野県佐久市中込3150-1、151室)を経営していた。
同社は北佐久郡軽井沢町で設立。1989年7月に現在地に移転し、佐久市中込地区では唯一の天然温泉「佐久一萬里温泉・ホテルゴールデンセンチュリー」を経営していた。
浴場には源泉大浴場や源泉露天風呂、源泉洞窟風呂、源泉歩行風呂など11種類を備え、宿泊や昼食付の日帰り温泉プランも提供。宴会や披露宴などにも対応し、ピーク時の1996年5月期には売上高約17億9,900万円を計上した。
しかし、近年は競合の激化や単価の下落などから業績が下降線をたどり、年収入高は2018年5月期約8億3,700万円、翌2019年同期約7億6,400万円へと後退、収益面も厳しい推移を続けていた。また、過去の設備投資負担が重く、たびたび赤字を計上するなど、厳しい経営が続いていた。
外部のコンサルタントの指導を仰ぎ、営業強化等により再建に努めていたが、2020年3月以降は新型コロナウイルス感染拡大の影響で顧客数が減少。資金繰りのめどが立たなくなったことから、事業継続を断念した。
負債総額は約35億円。
メトロエンジンリサーチによると、長野県佐久市には宿泊施設が37、部屋数にして1,230室が提供されている。同ホテルは151室で同市内で2番目の規模の宿泊施設。
同市内では、「ABホテル佐久平」が佐久平駅から徒歩圏内に8階建てで、2020年11月1日に128室での新規開業を予定している。
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