帝国データバンクは2021年4月30日16時時点の新型コロナウイルスの影響を受けた倒産が全国で1,401件確認されていると発表した。そのうち「ホテル・旅館」は87件となっている。
4月の関連倒産は100件を大きく上回る見通し
倒産の内訳は法的整理が1,277件(破産1,210件、会社更生法1件、民事再生法57件、特別清算9件)、事業停止が124件。1億円未満の小規模倒産が785件(構成比56.0)を占める一方、負債額100億円以上の大型倒産は5件(同0.4%)にとどまっている。
発生月別では2021年3月が193件で突出。2020年11月以降の感染第3波や年明けの緊急事態宣言の再発出の影響により2020年12月以降の倒産件数増加が顕著となるなか、今年3月に倒産処理される事業者が急増している。4月は30日16時時点で101件となっているが、今後判明する分を考慮すると100件を大きく上回る見通しだ。
業種別では「ホテル・旅館」が87件だった。最も多い業種は「飲食店」の229件で、「建設・工事業」125件、「ホテル・旅館」87件、「アパレル小売」74件が続いている。飲食店は4月8日正午までに確認された213件から16件増加。時短や休業要請を受けるなど、新型コロナウイルスの影響を最も受けている。
都道府県別では「東京都」の333件が最多。以下「大阪府」139件、「神奈川県」83件、「静岡県」61件、「北海道」60件、「愛知県」58件、「兵庫県」53件と続いている。
現在、新型コロナウイルス感染症対策として、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が発令されるなど、人流を抑制する措置が取られている。観光・宿泊業では各地域で独自の観光事業支援も行っているが、苦しい状況だ。行政による迅速なサポートが望まれる。
※新型コロナウイルス関連倒産について
帝国データバンクによる「新型コロナウイルス関連倒産」とは、原則として新型コロナウイルスが倒産の要因(主因または一要因)となったことを当事者または代理人(弁護士)が認め、法的整理または事業停止(弁護士に事後処理を一任)となったケースを対象としている。個人事業主および負債 1000 万円未満の倒産も カウントの対象としているほか、事業停止後に法的整理に移行した場合、法的整理日を発生日としてカウントしている。