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大阪ホテル開業ラッシュー大阪市北区で生き残る鍵とは

投稿日 : 2018.11.19

大阪府

ホテル統計データ

大阪の新規ホテル開業や計画が相次いでいる。客室稼働率においても、ほぼ全ての月で東京を上回り全国1位を獲得しており、いま最も宿泊需要の高いエリアと言える。今回は、大阪で出店数トップクラスの「大阪市北区」について出店状況、進出の要因、レビュー分析から激戦地での戦略を分析する。

大阪市北区のホテル展開状況、うめきた2期計画が開発を後押し

メトロエンジンリサーチによると、2017年以降の大阪の出店合計数上位5地域は以下のグラフの通りであった。北区の出店数は中央区、浪速区に次ぐ3位である。(グラフ上の出店数値は、2017年以降の出店実績値および予定値が含まれる。)

出典:メトロエンジンリサーチ

大阪市の北部に位置する北区は、大阪を代表する繁華街「梅田エリア」を中心に高層ビルや商業施設が立ち並び、いま開発ラッシュが最も進んでいるエリアの1つである。

また、「うめきた」と呼ばれる梅田駅・大阪駅北側のエリアは、再開発区域として都市開発プロジェクトが進められており、「うめきた1期」では、2013年に開業した大型複合施設「グランフロント大阪」が梅田を代表する施設の1つとなった。

2020年3月以降に着工する「うめきた2期」では、「みどり」と「イノベーション」の融合拠点をテーマに、様々な事業者を誘致して新たな都市機能創出を計画している。北区における新規ホテル出店数は、上記グラフ推移では、2018年に大きく跳ね上がっている。
また、現在の北区の宿泊施設数については、メトロエンジンリサーチによると、宿泊施設が127、部屋数17,068、新規開業予定が11軒、部屋数にして2,381の提供が予定されている。(2018年11月時点)

大阪市北区のホテル出店状況を示すマップは以下の通り。(紫のハウスマークが新規開業予定ホテル、色作りのサークルが既存宿泊施設で大小は部屋数規模を示している。)

出典:メトロエンジンリサーチ

梅田駅・大阪駅を中心にホテルが集中しており、客室数400室以上の大規模施設も11棟営業している。

また、今後の開業予定施設も、うめきた、茶屋町、曽根崎や堂島といった繁華街を中心に開業されることがわかる。

市内最大規模の客室数を誇るヨドバシ梅田タワー計画

開業予定施設の中でも、2019年12月開業予定の「(仮称)ヨドバシ梅田タワー」ホテル計画は、1,000室と大阪市北区はもちろん、大阪市内でも最大規模のホテル出店となる見込み。

大阪市北区ホテル開発計画

出典:メトロエンジンリサーチ

ヨドバシカメラは、JR大阪駅北口において「(仮称)ヨドバシ梅田タワー」を建設中である。ヨドバシカメラによる不動産開発としては過去最大規模で、ホテル棟の出店者は阪急阪神ホテルズ。客室数は本棟の9階~35階・約1,000室の規模を誇り、JR大阪駅のすぐ近くに位置するヨドバシ梅田ビルに隣接する形で建設される。

元々、ヨドバシ梅田ビルが観光やビジネスの拠点として利便性の高いエリアに位置しており、高い集客力をもっていることから、同ホテルへ流入する見込みも高い。また、ヨドバシカメラ梅田といった量販店は訪日外国人に高い人気を誇ることから、量販店に集まるインバウンド需要をうまく取り込むこともできそうだ。

出典:株式会社ヨドバシカメラ

都市開発が進む北区で生き残る鍵とは

うめきた2期の都市開発に加え、ヨドバシ梅田タワーのような大型ホテルが参入することから、梅田エリアを中心に北区を取り巻くホテル状況も大きく変わりそうだ。北区内における顧客から評価され続けるホテルになるには何がポイントになるだろうか。

メトロエンジンリサーチによる、各種OTAへの口コミ投稿を基にしたレビュー分析によると、北区の既存宿泊施設で最も平均的に高く評価されているポイントは「料金」(4.17)、「立地」(4.07)で、次点に「サービス」(4.06)と続き、平均的に高い評価を得ていることがかる。一方で、最も評価が低いポイントとしては「飲食」(3.89)であることがわかった。

最も評価の低かった「飲食」の中でも、平均を大きく上回る4.5と、最も高い評価を受けているのが「ホテル法華クラブ大阪」である。

同ホテルの特徴として、地域の食材を使った多種多様な郷土料理を提供していることが挙げられる。

出典:ホテル法華クラブ大阪

食事は観光の楽しみの1つでもあるため、大阪の名物料理や郷土料理を手軽に食べられることが、訪日外国人を中心とした観光客から評価されていると考えられる。

このように、食事においても地域に根ざしたサービスを提供することは激戦地での差別化を図るうえで重要なポイントといえるだろう。

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