ホテルリゾネックス名護株式会社が7月13日那覇地裁へ民事再生法の適用を申請した。負債総額は債権者498名に対して約48億円という大型倒産となった。
ホテルリゾネックス名護
ホテルリゾネックス名護株式会社(資本金1000万円、名護市山入端247-1、代表小橋川聡氏)はマンション分譲業者の旧松山産業が運営してきたリゾートホテル部門が分離独立する形で設立され、本社のある名護市にて「ホテルリゾネックス名護本館」(客室数141室)を経営、このうち50室は県内法人が客室を所有するオーナーズホテルで、海を望むリゾートホテルとして一定の人気を得ていた。
東京商工リサーチと帝国データバンクによると、2011年には隣接地に地上9階・客室数56室の「ホテルリゾネックス名護東館」を約10億円で建設。2014年3月には那覇市前島の「ホテルリゾネックス那覇」(旧ホテルシティーコート、客室数84室)を約7億円で買収するなど事業を拡大し、2016年3月期の売上高は約14億円を計上していた。国内観光客と訪日観光客の双方を集客し、2018年3月期の売上高は約16億5千万円で、当期純利益は約8700万円を計上していた。
しかし、東館の建設およびホテルリゾネックス那覇の取得に伴う借入金に加え、分離独立に際しての金融債務の負担割合が係争に発展し、新たに約28億円の負担が生じる可能性が出てきたことや設備投資による金融負債などが重なり、今回の措置に至った。
近隣に新設ホテル建設予定も影響か
メトロエンジンリサーチによると、名護市では宿泊施設が104、部屋数にして2,833が提供されている。ホテルリゾネックス名護は同市内では客室数で4番目の規模を誇る。
同市では新設予定のホテルが2軒ありその内、1軒は同ホテルに近接して2019年8月に、「(仮称)山入端リゾートホテル」として沖縄のホテル運営会社フェリーチェがタイ流通大手セントラルグループと共同で建設開業する予定となっている。同新設ホテルは4階建て60室。
同社にとっては新たな競合の出現は脅威として認識されていたと思われ、これも今回の判断に影響した可能性がある。
従業員の雇用と営業の継続を模索
メトロエンジンリサーチのレビュー分析によるとホテルリゾネックス名護は、海辺の立地や眺めに高い評価を得ている。他方で、Wi-Fiの整備や部屋の広さなどが課題としてあげられている。
同ホテルは本業の営業成績は順調であったため、従業員の雇用とホテルの営業は継続する方針を示しており、本日20日に債権者向けの説明会を那覇市内で開催する予定となっている。
出典:リゾネックスホテル名護
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