ハリウッドの映画会社やテレビ放送局のCEOを歴任し、インターネット複合企業IACを率い、世界最大のOTA・エクスペディアの会長も務めるバリー・ディラー氏は、同社が年35億USドルをグーグルに支払い、グーグルが旅行事業に乗り出していることに不満を示し米反トラスト法当局に規制を求めた。
同氏は、16日のエコノミッククラブNYにおけるCNBCのインタビューにおいて、グーグルやフェースブックが世界中の広告ビジネスを所有しており、特にグーグルがインターネットサーチ、デジタル広告販売において独占状態にあることを指摘し、このような独占状態に置かれた段階では、当局による規制が必要であるとの考えを示した。
また、同氏は会長を務めるエクスペディアグループが年35億USドルをグーグルの広告料に支払っていることを明かした上で、近年グーグルはホテルや航空券などの旅行事業に直接的に乗り出しており、広告料を支払う顧客でもある旅行会社の商品よりも、競合する自らの商品をより強調することが可能な立場であり、平等な競争条件を確保できなくなっている点を指摘した。
バリー・ディラー氏はエクスペディアグループの会長だが、エクスペディアグループCEOのマーク・オカストロム氏と見解を異にする可能性もあり、同見解によりエクスペディアグループがグーグルや当局に対して実際に何らかのアクションを行うものとなるかどうは明らかではない。
Skiftなど複数の米メディアが報じている。