フランスのホテル産業組合(UMIH)が米ホームシェアリングビジネス大手のAirbnbを不公正競争に当たるとして告訴した。
UMIHはAirbnbが登録番号なしにオンラインに物件を掲載し続けていることを非難している。同登録番号の掲載はパリやその他のフランス都市において、フルタイムビジネスとして不動産を貸し出すことを排除することを目的にして今般導入された規制である。
Airbnbは掲載オーナーの中に年間制限である120日を超えて貸し出している者がいることや違法な物件の貸し出しを行なっている者がいることを認識していると、UMIHは指摘する。
UMIHは、Airbnbの掲載の一部は非合法であるとし、それが1%と仮定してもホテル産業にとってそれによる損失は年間数千万ユーロ(1ユーロ=128円、2018年11月現在)に達すると指摘する。
パリ市は、Airbnbを含めたホームシェアリング・サイトが、適切な税務申告なしに貸し出し業務を行なっており、市の家賃価格の高騰を招いてもいるとして、厳しい姿勢を示しており、登録なしに物件の貸し出しを行なったサイトに対して制裁金を科している。その金額は本年1月から8月15日の間に、138万ユーロに達している。
9月には、住宅を管轄するパリ市議会議員から、パリ市内においてAirbnbが住宅家賃の高騰を招いているとして、Airbnbの同市内での貸し出しの完全な禁止を求める発言も出始めた。
Airbnbのスポークスマンは、「フランスのホテルロビーの動きは驚くものではなく、長きにわたる法的措置における最新のケースとなるが、その他と同様に失敗に帰するだろう。ホテルは既得権を守り続け、フランスの観光業から利益を享受するというフランス人の権利を制限しようとするものだ。」と述べた。
Airbnbは、フランスにおいて約50万室を掲載しており、パリだけで約6.5万室に達する模様。この数はパリ市内の約8万室のホテル客室数に匹敵する規模である。
しかしながら、パリ市当局によると、パリ市内で現在登録されている物件は、2.5万室であり、わずか38%に留まっている。
同様の動きは、他の観光スポットでも出てきており、アムステルダムやバルセロナ、ベルリン、ニューヨークなどでも広がっている。
最初の裁判は2019年2月14日に予定されている。
FRANCE24が報じた。
【合わせて読みたい】