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週末外出自粛の成果とは、感染症対策でホテル活用が突破口へ

投稿日 : 2020.04.05

指定なし

新型コロナウイルス関連

東京都内で感染者数が急速に拡大、感染爆発の重大局面となった。都内では3月25日に週末外出自粛等の要請が都知事より発せられた。本論考では週末外出の自粛要請を発した後、抑止に成果を示した北海道の事例を分析。ホテルの活用を利害対立する感染抑止と経済活動の突破口とすることを論じる。

週末の外出自粛要請から成果が出るまで2週間

北海道では新型コロナウイルスに対する「緊急事態宣言」が2月28日に発出された。期間は2月28日から3月19日までで、鈴木道知事は3月18日の記者会見で「当初、懸念されていた爆発的な感染拡大と医療崩壊による命と暮らしを守れないという状況は回避されたと考え、緊急事態宣言は予定通り19日で終了する」とした。

なお、北海道による「緊急事態宣言」は、現在焦点となっている法的根拠のある特措法による国の発出する緊急事態宣言とは異なるものであり、週末の外出を控えるように要請する東京都知事が3月25日に発したものと同等の措置である。

これによる北海道札幌市での成果はいかなるものだったのか。

札幌市の感染状況は以下の通りとなっている。

出典:札幌市

上記のグラフで注目したいのは、2月28日に同宣言が発せられた後、実際にピークを迎えたのは3月12日、およそ2週間後であったことである。

3月19日に同宣言が解除されたあとも、大きな再度の増大は認められず、全体の感染者の累計が増大し続けている他方で、「現在感染者数」は減少を続けており、医療崩壊が回避されていることがわかる。

この背景には感染から発症までの潜伏期間が厚労省によれば、1-14日(一般的には約5日)とされていることや、PCR検査の結果が判明するまでの期間が1日から数日かかる(厚労省参照)ことがあると見られる。

以上のことから、東京都や周辺自治体による週末の外出自粛要請等の結果が確認されるのは3月25日から2週間を経た4月11日以降と考えられ、現時点での感染者数の増大は同要請の結果ではなく、3月20−22日の3連休などでの人の移動の増大の結果と見ることができる。

もっとも、今後の北海道・札幌の感染動向は予断を許さない。また、北海道・札幌の事例が首都圏でも同様にあてはまるかどうかは、この間にどれだけ各自がいわゆる「三密」と言われる空間を避けられたか、咳エチケットや手洗い、不要不急の外出を避けられたかなどにかかっており、同様の成果が得られるかどうかは現時点ではわからないというのが実際であり、危機的状況が続いていると認識すべきだ。

政治に求められるのは果断な決断だけではない

今回のウイルスとの戦いにおいても最も困難な課題は「感染拡大防止の取り組みと社会活動や経済活動を両立すること」である。

未知のウイルスへの恐怖からより果断な決断を政治に求める沸騰した世論は日に日に高まっている。

また、他方で、「ただの風邪にそこまでする必要があるのか」「かかったらかかったでしかたない」といったあきらめに似た態度、いわゆる「コロナ疲れ」も散見されるようになってきた。

そのどちらもが、実際の感染状況の現実に真剣に向き合わない「思考停止」である。

また、そうした世論に後押しされたポピュリズムに政治が陥る危険性についても留意し、思考し続ける賢明な市民としての冷静な姿勢が求められる。幾度となく災害を乗り越えてきた我々日本人にはその力があると信じ、世界に範を示したい。

政治は対立する利害の調整を、果たすべきホテルの役割とは

政治に求められるのは果断な決断だけではない。対立する利害を調整することもまた政治の役割である。

厚労省や東京都は軽症者や無症状者の受け入れ先としてホテルを活用する方針を示した。

ホテルはラストリゾートとして有事の際にその土地の人々の避難場所や緊急病院となり、人々の安全が確保される場所になれることは、東日本大震災など過去の経験事例からも示されている。

元々、ホテルは、「旅人・客・宿主」を意味する「hospes」に語源を持ち、そこから「hospitality」(おもてなし)という言葉が派生。病院(hospital)もまた同じ語源を持つといわれている。

病院と同様にホテルもまた「顧客の命・安全を守ること」が究極のサービスであると言って過言ではないだろう。

また、今回の自粛に伴いテレワークなどでストレスを貯めているビジネスパーソンや子供達は数多く存在しており、こうした人々に向けた対応サービスの提供はすでに現在行われている一部ホテルによる貢献である。こうした動きは過密した東京からの地方分散化や働き方改革を進める現在進行形の「コロナ後」の経済社会システムの未来を暗示するものとなろう。

もとより、そうした一部のホテルの活用策によっても現在生じている致命的な打撃を埋め合わせるには程遠い。このことから、現在政府が検討している大規模な経済支援策を含めた自粛措置に伴う損失を国民全体でシェアする利害調整を行うことが政治には求められる。

損失の補填は「生きるためにイベントを開催せざるを得ない」といった止むに止まれぬ感染拡大を抑止する効果も期待される。

このような対応を取っていくことで一見において対立軸だけでしか論じられない、感染拡大防止の取り組みと社会活動や経済活動について一つ一つ「共通の利益」を見出すこと、これにより「一致団結」した戦いを展開していく。その懸命な努力こそが真のウイルスに対する戦いにおける勝利への鍵となろう。

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