広島電鉄(広島市中区)は19日、広島市南区大須賀町にある「ホテルニューヒロデン」を来年1月末で閉館し、ホテル事業から撤退すると発表した。新型コロナウイルスの感染拡大の影響による売り上げの減少が原因。
広島電鉄の子会社が広島市南区で運営するホテルニューヒロデンは、1974年(昭和49年)に開業。地上13階建て、客室数は256室で、広島駅から徒歩3分と立地条件も良かった。会議室や結婚式ができる宴会場なども備えており、地元民をはじめ国内外の宿泊客を多数呼び込んできた。
年間の売り上げは多い時で15億円余りを計上したが、新型コロナウイルスの感染拡大による影響で出張者や観光客が減り、運営会社の20年3月期の営業収益は9億3900万円、最終損益は6000万円の赤字だった。
さらに、建物の老朽化に伴い大規模な耐震改修工事が必要だったが、売り上げの落ち込みにより回収が見通せないと判断し、閉館を決めた。
広島電鉄の公式発表によると、ホテルを運営する子会社は解散に向けた手続きを進め、広島電鉄のグループ会社全体としてホテル業から撤退するという。ホテルで働く122人の従業員には広電のグループ会社の仕事を紹介したり、他社への就職を支援。閉館後の建物や土地の活用方法は未定となっている。