大阪府に本拠を置く旅客向けバス運行業の「あじさい観光株式会社」が、1月6日までに事業を停止し、自己破産申請の準備に入ったことが明らかになった。負債総額は約5億円の見通し。
東京商工リサーチによると、同社は2014年10月に設立。資本金は4,570万円、従業員数は36名。19台の大型・中型バスを保有し、大阪~白浜間(和歌山)、大阪~東京・千葉を結ぶ高速乗合バスの運行を手掛けていた。近年は外国人観光客向けの貸切バス事業を展開し、業績は好調に推移していた。
しかしながら、2020年に入り新型コロナウイルスの感染拡大による渡航制限でインバウンド需要が消失。さらに外出自粛ムードによる国内旅行の需要が落ち込み売上が急減し、経営が悪化した。資産処分や経費削減など資金調達の選択肢を模索しながら営業を続けたが、新型コロナの収束が見通せず事業の継続を断念した。
新型コロナウイルス感染症の再拡大に伴い、2021年1月7日に1都3県に2度目の「緊急事態宣言」が出された。東京都内・神奈川県内で定期観光バスおよび貸切バスを運行する株式会社はとバスは、緊急事態宣言の再発令とGo Toトラベル事業の停止延長を受け、全コースの運行を1月9日から休止している。再びの緊急事態宣言の発令は、バス業界に大きな影響が出ることが懸念されている。