(出典：空き家活用株式会社)
空き家活用株式会社、東急不動産ホールディングス株式会社、Airbnbの日本法人、株式会社オリエントコーポレーションの4社は、空き家の有効活用を促進するために業務提携を行うことを発表した。日本では近年、空き家数の増加が社会問題となっている。2024年に総務省統計局が公表した「令和5年住宅・土地統計調査」によれば、空き家数は900万戸に達し、2019年の調査時より51万戸の増加で過去最多となっている。そして、団塊世代が平均寿命を超過し、多くの相続発生が想定される2040年に向けてさらに空き家数の増加が予想される中、放置された空き家は地域の景観や衛生面、さらには不法侵入などの問題を引き起こす可能性がある。
この問題に対し、アキカツ、Airbnb、オリコの3社は既に無担保消費性ローン「アキカツローン」の商品化や空き家のホームシェアリングを通じた流通促進に取り組んでいる。しかし、ホームシェアリングの実施には事前準備や運営に多くのハードルが存在する。この課題を解決するため、東急不動産ホールディングスは社内共創型ベンチャー制度「STEP」において、ホームシェアリングを一貫して支援するサービス「AnyLivingS」の実証実験を2024年4月から行っており、ホームシェアリングの参入障壁を下げることによる空き家の有効活用と地方不動産の流通促進を目指している。
「ホームシェアリング活用支援ワンストップサービス」フロー図イメージ (出典：空き家活用株式会社)
今回、3月に発表された3社の事業提携に東急不動産ホールディングスが加わり、4社の業務提携が実現した。これにより、各社が持つ強みを活かし、空き家の流通促進が一層推進される。具体的には、アキカツが提供する空き家物件のデータベース、オリコの事前保証を活用した地域金融機関による資金付け、東急不動産ホールディングスの「AnyLivingS」によるホームシェアリング事業支援、Airbnbの集客力を組み合わせ、ホームシェアリングの実施をサポートする。
また、ホームシェアリングとして運用中の物件の売買が可能なマーケットプレイスの構築も予定しており、物件取得から売却までを一貫してサポートする体制を整える。この取り組みにより、より多くの人が気軽にホームシェアリングを開始できるようになり、空き家の再生が実現する。
この提携により、空き家の流通・活用がさらに活性化され、再生された物件がAirbnbを通じてホームシェアリングのプラットフォームに掲載されることで、各地の観光振興にも繋がることが期待される。今後もアキカツ、東急不動産ホールディングス、Airbnb、オリコの4社は、それぞれのリソースを有効活用し、空き家問題の解決に向けた地域活性化および地方創生に寄与する取り組みを進めていく。