大阪湾の人工島・夢洲に観光とエンターテインメントの拠点を築く統合型リゾート(IR)建設計画が進行している。2030年を目指すこの計画には高級ホテル、国際会議場、ショッピングモール、レストラン、そしてカジノが含まれており、大阪の国際的な観光都市としての地位を向上させることが期待されている。本計画は日本MGMリゾーツとオリックス株式会社が主導し、公民連携によって持続可能で適切に規制された施設の実現を目指す。観光業の活性化、数千の雇用創出、大阪の経済成長が見込まれる一方、治安やギャンブル依存症に対する懸念も強く、安全策として専用の警察署やギャンブル依存症対策が計画に含まれている。
「カジノを含む統合型リゾート施設(IR)が大阪に開業予定であることについて、どう思いますか?」
(出典:Seeders Holding B.V.)
オンラインアンケート調査は2度実施され、1度目は全国の成人1,000人が参加し、IR計画に対する市民の意識が調査された。まず、回答者の37.5%が競馬やパチンコなど従来型ギャンブルの経験があり、12.3%がオンラインギャンブルの経験を持つことが分かった。オンラインギャンブルに対する影響について尋ねたところ、多数の回答者が「日本社会に悪影響を与えている」と感じており、75%以上が依存症や経済的な問題について耳にしたことがあると答えた。こうした否定的な意見の中で、大阪IR計画についての質問では、過半数が反対意見を表明し、他地域でのカジノ開業にも否定的な意見が多くを占めた。特に「治安の悪化」や「裏取引の増加」などが懸念点として挙げられており、ギャンブルに伴う社会問題への不安が反対の理由となっている。
「カジノを含む統合型リゾート施設(IR)が大阪に開業予定であることについて、どう思いますか?」
(出典:Seeders Holding B.V.)
また、フォローアップ調査では、オンラインギャンブル経験者を対象にした追加調査が行われ、28都道府県から20歳以上の男性68人、女性32人の計100名が参加した。この調査では、ギャンブル経験者が一般的なギャンブルや大阪IRの開業に対してより好意的な見方をしているかどうかが調査された。その結果、オンラインギャンブル経験者の中にも大阪IR計画に対する慎重な意見が多く、「治安が悪化する」「犯罪者が集まる可能性がある」といった懸念が挙げられている。一方で、賛成派からは「大阪の経済が活性化し、新たな観光地になる」との期待もあり、家族も楽しめる観光資源として評価する声もあったが、全体として賛否は拮抗している。
「オンラインギャンブルをする主な理由は何ですか?」
(出典:Seeders Holding B.V.)
さらに、オンラインギャンブルをする理由については、「場所や時間を選ばず気軽に楽しめる」「少額でリスクが少ない」という回答が多く、16.3%がエンターテインメント、14.3%が利便性、13.3%が金銭的利益を期待することを理由に挙げた。その他、カジュアルに少額で楽しむ人々が多く、一般的な楽しみとしてギャンブルを捉えている様子が伺えた。
今回の調査結果は、大阪IR計画において市民の不安に対処するために安全対策やギャンブル依存症対策の強化が必要であることを示唆している。教育や広報を通じて計画の利点や安全策について理解を深めることで、観光業の成長や地域経済への貢献を強調し、より多くの市民から支持を得られると期待される。
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