眠っていたデータから新たな付加価値を
指定なし
新規開業・供給
新しく開業したホテルは、しばらく安く売って認知を稼ぎ、そのあと市場水準まで単価を上げていく——ホテル開発の現場でも投資の現場でも、この「立ち上がり期間」は当然の前提として語られてきた。しかし、その前提を実測した数字を見たことがある人は少ない。本稿では、2025年に開業した100室以上の137施設について、開業月から最長17か月分の推定成約ADRを追い、同じ都道府県・同じ業態の市場中央値で割った「開...
宿泊市場動向
「去年の同じ時期、このエリアのホテルはいくらで売れていたのか」——予算策定や投資判断の場面で必ず必要になるこの問いに、即答できる単一のデータベースは存在しない。公的統計は稼働率と延べ宿泊者数を扱うが客室単価(ADR)は公表せず、上場ホテルREITの開示は精緻だが対象は自社保有物件に限られる。本稿では、過去のホテル料金・ADRを遡って調べる主要4手段の守備範囲・更新ラグ・定義差を整理し、あわせて47...
ライフスタイル
ホテルでの長期滞在・連泊がはじまると、毎日の食事をどう組み立てるかが一番の悩みどころになる。結論から言えば、基本形は「朝は宿の朝食付きプラン、昼と夜はコンビニ・スーパーの中食、余裕があれば客室で軽い自炊」の3本立てだ。全国4,764施設のプラン掲載価格をペア比較したところ、朝食付きプランと素泊まりの差額は1泊あたり平均1,406円、ビジネスホテルに限れば平均771円(いずれも1名1室・税込のOTA...
東京都
大阪府
福岡県
フリーランス・個人事業主が賃貸を引き払ってホテルで暮らす場合、全国のビジネスホテルのOTA掲載価格(2026年9月時点・N=7,900軒)を基準にすると、費用は30泊で約46.9万円(1泊平均15,625円)が目安になる(価格基準は「1室2名利用・1室あたり料金/税込」。1名利用時の実際の支払額はこれと異なる)。連泊プランや月額プランを使えば支払額はここから下がる方向に動くため、この数字は上限側の...
栃木県
レベニューマネジメント
季節・イベント
栃木県の10月三連休(10月10日〜12日)は、同じ連休の中で「初日の夜」と「最終日の夜」の予約進捗がはっきり割れている。宿泊日の20日前で比べると、旅館(N=149〜150施設)の推定OCC(OTA掲載在庫ベース)は10月10日(土)が86.5%、10月12日(月・祝)が64.9%で、差は21.6pt。ビジネスホテル(N=65施設)では80.8%と44.8%で36.0ptの差がある。一方、リゾー...
京都府
沖縄県
広島県
客層・セグメント分析
修学旅行の時期は、秋に強く偏っている。公益財団法人日本修学旅行協会が2024年度実施分を集計した高等学校調査では、国内修学旅行1,054件のうち10月〜12月が679件(64.4%)を占めた。一方で、この需要は主要予約サイトを経由せずに相対契約で動くため、通常のブッキングカーブには現れにくい。本稿では、秋の平日にどれだけの受け入れ余力が残っているかを推定OCCで定量化し、どのカテゴリが大人数・低単...
投資・開発
簡易宿所(旅館業法上の簡易宿所営業、いわゆる簡易旅館)は、空き家・空きビルの転用や小規模開業の受け皿として施設数を伸ばし続けている。厚生労働省「衛生行政報告例」によれば、令和6年度末(2025年3月31日時点)の簡易宿所営業は44,901施設で前年比7.1%増。一方で観光庁「宿泊旅行統計調査」の2025年確定値が示す簡易宿所の客室稼働率は29.6%と、施設タイプ別で最も低い。本稿では、この2つの数...
千葉県
成田空港を中心とする半径10km圏の客室数は、2019年末の13,031室から2026年9月時点の12,852室まで、7年間ほぼ横ばいで推移している。一方で空港側は、C滑走路(3,500m)の新設とB滑走路の1,000m延伸を2028年度末に完成させ、年間発着容量を50万回に引き上げる「第2の開港」を進めている。50万回時の姿として公表されている航空旅客数は約7,500万人、空港内従業員数は約7万...
中国
韓国
台湾
インバウンド
観光庁は2026年8月31日、宿泊旅行統計調査の「2026年7月・第1次速報」と「2026年6月・第2次速報」を公表した。7月の延べ宿泊者数は5,467万人泊で前年同月比−3.5%、うち外国人は1,358万人泊で同−4.6%である。一方、日本政府観光局(JNTO)が8月19日に公表した7月の訪日外客数は344万2,100人で、7月として過去最高を更新した。人数は最高、人泊は減少——この乖離が何によ...
建築基準法39条にもとづく「災害危険区域」は、ハザードマップのような想定の表示ではない。自治体が条例で区域を指定し、その中では建築そのものを制限できる、実効性のある規制レイヤーである。用地を探す側にとっては、地価でも用途地域でも容積率でもなく、「そもそも建てられるのか」を最後に決めてしまう層にあたる。 そして宿泊用途にとって重要なのは、この制度が条文上「住居の用に供する建築物」を名指ししている点で...