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【取材】福岡・白金にやまや初の一棟貸し宿「白金はなれ」 開業

投稿日 : 2026.05.01

福岡県

新規開業・供給

辛子明太子の製造販売や外食事業を手がける株式会社やまやコミュニケーションズ(以下、やまや)が、初の宿泊事業に乗り出す。福岡市中央区白金に一棟貸しの宿「白金はなれ」を4月18日に開業した。

コンセプトは「街にひらかれた、湯屋のはなれ」。宿泊者専用の湯屋や3室の寝室を備え、最大11人まで滞在できる。無人運営による高いプライベート性を確保しながら、周辺の街歩きや旗艦店「やまや総本店」と連携した食体験へと宿泊者を誘う設計だ。九州の食文化を発信してきた同社が、食を起点にした都市滞在の新しい形を提案する。

本記事では、「白金はなれ」開業の背景や施設の特徴、白金エリアとの関わり、今後の展望について、やまやに取材した。

公式サイト:https://yamaya-shiroganehanare.jp/

――― やまや様にとって初の宿泊事業となる「白金はなれ」を立ち上げるに至った背景と、その狙いについてお聞かせください。

▲白金はなれ(外観)

「白金はなれ」は、これまで当社が育んできた食文化を、“滞在体験”へと拡張する初の宿泊事業として立ち上げました。

近年、やまや総本店には海外からのお客様や、国内から観光で訪れるお客様が多くご来店くださっています。そうした中で、食だけでなく、その土地ならではの体験への関心が高まっていることを感じておりました。

総本店のある白金エリアは、天神や博多駅周辺とは異なり、路面に個人オーナーによる個性豊かな店舗が点在する、とても魅力的な街です。

「白金はなれ」では、施設内で完結するのではなく、ここを拠点に薬院・白金、ひいては福岡の街へと足を運び、食を楽しみ、人と出会う。そうした体験を通じて、街と宿がゆるやかにつながる、新たな都市滞在のかたちを提案していきたいと考えています。

――― “街にひらかれた、湯屋のはなれ”というコンセプトの中で、特に「湯屋」を滞在の中心に据えられた理由をお聞かせください。

かつて人々が自然に交流していた“湯屋”の記憶を、現代の一棟貸しスタイルの宿泊体験として再解釈しました。

「白金はなれ」を拠点に、街での体験や食の記憶を、プライベートな空間である“湯屋”で語り合う。その時間そのものを、滞在の価値として設計しています。

単なるリラクゼーションの場にとどまらず、人と人、そして街とのつながりを育む場として、“湯屋”を滞在体験の中心に据えました。

――― 宿の中で完結させず、街へ出て食や人との出会いを楽しむ設計にされた点について、白金という街の魅力をどのように宿泊体験へ反映されたのかお聞かせください。

▲白金はなれ(外観)

白金という街は、天神や博多駅周辺とは異なり、路面に個人オーナーのこだわりが詰まった店舗が数多く点在するエリアです。

「白金はなれ」は、あえて宿泊機能に特化し、施設内で完結しない滞在を設計しています。

お食事については、当社の「やまや総本店」も含めてご提案しつつ、街にあるコーヒーショップやベーカリー、スイーツ店、さらには夜のバーなどを巡りながら、“福岡の人”がつくる街そのものを楽しんでいただきたいと考えています。

宿を拠点に街を回遊することで、その土地ならではの出会いや体験が生まれる。そうした滞在価値を提供していきたいと考えています。

――― 「やまや総本店」と連携した“食”体験や、今後予定されている朝食提供を通じて、宿泊事業ならではの価値をどのように広げていきたいとお考えでしょうか。

「白金はなれ」は、単に泊まる場所ではなく、やまや総本店の食文化を、滞在を通じて体験していただく場として育てていきたいと考えています。

隣接する「やまや総本店」と連携することで、夕食では特別な膳による食体験を、朝には身体を整える和朝食を、昼には白金小径でのランチを楽しんでいただけます。食を中心に、一日の流れそのものを豊かにする滞在価値を提供していきたいと考えています。

今後開始予定の朝食についても、「博多の朝をととのえる一膳」をコンセプトにしています。まずは、あたたかなお粥と乳酸菌を取り入れたドリンクから始まり、炊き立ての土鍋ごはん、やまやの“できたてめんたい”、季節の魚の干物などをご用意する予定です。

やまやならではの素材と技術を活かし、“博多の朝を味わう体験”として、さらに磨き上げていきたいと考えています。

また、宿泊だからこそ実現できる価値として、地域の食や文化との接点も広げていきたいです。白金という街を歩き、街で過ごし、宿に戻り、また食を楽しむ。そうした街・宿・食がつながる滞在体験を、今後さらに深めてまいります。

最終的には、「福岡に来たら泊まりたい宿」であると同時に、“やまやの食を最も深く味わえる場所”として、多くのお客様に選ばれる施設を目指しています。

――― 最後に、「白金はなれ」を通じて、やまや様として今後どのような宿泊体験や価値を提案していきたいとお考えか、今後の展望をお聞かせください。

「白金はなれ」は、単に宿泊施設を新たに始めるというよりも、やまやが培ってきた“食のおもてなし”を、滞在という時間軸の中でより深く体験していただく挑戦だと考えています。

これまで私どもは、明太子づくりや飲食事業を通じて、“食を通じて人を豊かにすること”を大切にしてまいりました。白金はなれでは、その価値を、食事のひとときだけでなく、到着から翌朝まで続く時間の中で感じていただける場にしていきたいと考えています。

具体的には、都市の中心にありながら静けさとプライベート感を感じられる空間、ゆっくり身体を癒やす湯浴みの時間、そして隣接するやまや総本店と連携した食体験など、「泊まる」「整う」「味わう」が一体となった滞在価値を磨いてまいります。

また、白金という街そのものも大きな魅力の一つです。観光地を巡るだけではなく、地域の日常や空気感、街の飲食文化まで感じていただけるよう、街とつながる宿としての役割も果たしていきたいと考えています。

中長期的には、「白金はなれ」を、福岡を訪れる方にとっての特別な滞在先であると同時に、やまやブランドの新しい価値発信拠点へと育てていきたいと考えています。

“食のやまや”として知られてきた私どもが、今後は“滞在まで含めて心に残るやまや”として、お客様との接点をさらに広げていけるよう挑戦してまいります。

■施設概要

施設名:白金はなれ
所在地:〒810-0012 福岡県福岡市中央区白金1丁目6-1
建物形態:戸建て一棟貸し
延床面積:約102㎡
定員:最大11名
運営形態:無人運営(非対面チェックイン)
アクセス:福岡市地下鉄七隈線「薬院駅」から徒歩6分
公式サイト:https://yamaya-shiroganehanare.jp/

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