(出典:株式会社おてつたび)
株式会社おてつたびが提供する「おてつたび」は、「お手伝い(短期アルバイト)」と「旅」を掛け合わせた人材マッチングプラットフォームである。人手不足に悩む地方の事業者と、働きながら旅を楽しみたい旅行者をつなぐ仕組みであり、旅人は報酬を得ながら宿泊費無料で地域の暮らしに深く関われる。一方、事業者側にとっては、柔軟に人材を確保できるという利点がある。平均滞在期間は約2週間と短期ながらも、実際に“働く”ことを通じて、その土地の文化や人々と深く関わることができる。
(出典:株式会社おてつたび)
こうした取り組みは、政府が2025年5月に示した地方創生の基本構想の骨子とも重なる。構想では、東京圏から地方への転入促進や、都市に住みながら地域と継続的に関わる「関係人口」の拡大が柱とされている。「おてつたび」は、この関係人口創出の有効な手段として、現場レベルで着実な成果を上げている。
(出典:株式会社おてつたび)
実際、「おてつたび」のアンケート結果によれば、利用者の86%が「再びその地域を訪れたい」と回答し、約8割が「おてつたびがなければ訪れなかった地域」での体験だったという。このように、地域との“最初の出会い”として機能しており、移住や定住、さらには起業に至るケースも生まれている。
(出典:株式会社おてつたび)
さらに、利用者層はZ世代だけにとどまらず、近年ではセカンドキャリアや移住を視野に入れた50代以上の参加も拡大している。登録ユーザーは2025年5月時点で78,000人を突破し、宿泊業や農業・漁業をはじめ、ゲストハウス、酒造会社、飲食店など多様な業種へと広がっている。
「関係人口」や「二地域居住」といった地域との新たな関わり方が求められる今、「おてつたび」のようなサービスは、地方と都市をゆるやかにつなぐ新しい選択肢として、大きな意義を持つ存在といえるだろう。