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門脇埼灯台を起点に伊東エリアの観光活性化へ:日販とシードが地域連携事業を本格始動

投稿日 : 2025.07.31

静岡県

地域創生

(出典:日本出版販売株式会社

日本出版販売株式会社株式会社シードは、静岡県伊東市にある門脇埼灯台とその周辺地域を新たな観光資源として捉え、観光誘致を目的とした「門脇埼灯台による伊東エリア観光活性化事業」を開始する。この事業は、日本財団が推進する「海と日本プロジェクト」の一環であり、灯台を起点として地域間や異分野・異業種、日本と世界をつなぐことを目指す「海と灯台プロジェクト」の助成を受けて実施される。

同事業は、2024年度に「門脇埼灯台利活用推進プロジェクト」として始動し、その推進母体として日販とシードが共同で「門脇埼灯台観光推進コンソーシアム」を組成している。2年目となる2025年度は、事業名称を現在のものに変更し、門脇埼灯台に限らず伊東エリア全体の観光促進を視野に入れた取り組みを展開する。

(出典:日本出版販売株式会社

2024年度には、イマーシブ音声コンテンツ「ボイスフレンド」の実証実験が実施され、歴史的・地理的な調査に加え、伊東市および地域の観光事業者との連携体制の整備が行われた。、「ボイスフレンド」は、専用アプリをスマートフォンにダウンロードすることで体験できるイマーシブ音声コンテンツである。空間そのものをイベント会場とすることで、IPコンテンツの魅力を引き出し、集客や周遊を促すことができる。

その一環として、株式会社ワールドエッグスが展開する灯台擬人化プロジェクト『燈の守り人(あかりのもりびと)』との連携により、「ボイスフレンド×燈の守り人『門脇埼灯台イマーシブツアー』」が2025年1月に始まり、同年6月末時点で140名が体験した。

体験者アンケートでは満足度94.1%、再訪希望率100%と高評価を得ており、「ボイスフレンド」が門脇埼灯台の新たな魅力発見や地域資源化に有効であることが確認された。近隣店舗でのオリジナルグッズ販売も、地域経済への波及効果をもたらしている。一方で、灯台の認知度や情報提供手段の不足、地域との連携といった課題も明らかになり、2025年度はこれらの解決に向けた施策が進められる予定である。

まず、「ボイスフレンド」を活用した有料観光周遊コンテンツを本格展開し、門脇埼灯台および伊東市内の観光施設に関する情報をストーリー性のある音声体験として提供する。また、初の多言語対応により、インバウンド観光客にも対応したコンテンツ制作と展開を進める。

次に、灯台の認知度向上のため、伊東市内の観光地でのPRイベント、旅行系インフルエンサーによる動画プロモーション、宿泊施設や飲食店での門脇埼灯台紙ジオラマの配布を行う予定である。

さらに、地域と連携して灯台に関する新たな学習コンテンツを制作する。具体的には、地元学芸員の監修のもと『燈の守り人』のキャラクターを活用した映像コンテンツを作成し、地域の歴史・文化を学べる機会を提供する。また、小中学生を対象とした「ボイスフレンド」コンテンツ制作体験ワークショップも開催される。

これらの施策を通じて、門脇埼灯台を活用した観光モデルとしての定着を図るとともに、全国の灯台への水平展開を視野に入れている。また、イベントの常設化を目指し、単発的な催しにとどまらない継続的な地域価値の向上を目指している。

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