観光庁は10月15日、高齢や障がい等の有無にかかわらず安心して旅行を楽しめるユニバーサルツーリズムの普及を促進する実証事業の実施先として5団体を選定した。バリアフリー旅行のサポート体制の強化に向けた準備費用の一部を負担する。
ユニバーサルツーリズムとは、高齢者や障害者など誰もが楽しめるよう創られた旅行である。ユニバーサルツーリズムの普及には、地方自治体、NPO等の幅広い関係者の協力が不可欠である。
観光庁は今回の実証事業を通じて、地域の受入体制強化を進めるほか、旅行商品の造成・普及のための取組を実施し、バリアフリー旅行サポート体制の強化を目指す。
今回選定された5団体は以下の通り。
- 長瀞町観光協会(埼玉県)
- しずくいし観光協会(岩手県)
- 伊勢志摩バリアフリーツアーセンター(三重県)
- 長崎ユニバーサルツーリズム産業共同提案体(長崎県)
- 小野川温泉観光知実行委員会(山形県)
国は1件あたり50~100万円、合計500万円を上限として、「外国人障害者の受け入れに向けた人材育成に係る費用」「地域の宿泊施設を活用したバリアフリーサポート体制の強化に係る費用」「多言語による宿泊施設のバリアフリー情報発信のためのツール作成に係る費用」などを一部負担する。
観光庁では平成24年度からユニバーサルツーリズムの普及、促進を続けている。高齢者や障害者を対象にしたバリアフリー情報の発信を目的としたバリアフリー旅行の相談窓口は2020年3月までに全国に46カ所設置されている。
しかし、相談窓口が未設置の地域や、外国人の高齢者や障害者への旅行サポートが不足している地域も依然として多い。また近年では、高齢者や障害者等当事者のニーズが一層増加し、さらには多様化しているという課題も抱えている。