12月14日、政府は観光需要喚起策「GoToトラベル」事業を、年末年始時期に限定し全国的に一時停止する方針を決定した。停止するのは12月28日から2021年1月11日までの15日間。
また、特に感染が深刻化している東京、大阪、名古屋、札幌の4都市を到着地とする旅行については、12月27日まで事業の対象から除外される。
政府はこれまで、新型コロナウイルスの感染再拡大の渦中にあっても、経済回復を重視し、「GoTo」事業は地域ごとに見直しの判断を委ね、全国的な措置はとらないとの姿勢を示してきた。
しかし全国的に感染者が高止まりの傾向が続いており、医療機関の負担も増大している現状を受け、「年末年始は移動を控え、自宅で静かに過ごしてもらいたい」というメッセージを国民に強く打ち出すために今回の一斉停止となった。
また、全国的な見直しに踏み切らないことに医療機関をはじめ関係各所からも批判の声が上がっており、内閣支持率は急落していた。今回の急な方針転換については、事業見直しを求める世論に応え、支持率の低下を防ぐ一因もあったとみられる。
飲食店への時短営業要請も延長する方針で、書き入れ時である年末年始の売上への影響を考慮し、協力金は1か月当たり最大120万円まで引き上げるとのこと。
14日の新型コロナ感染症対策本部にて菅首相は「年末年始にかけてこれ以上の感染拡大を食い止め、医療機関などのご負担を軽減し、皆さんが落ち着いた年明けを迎えることができるよう、最大限の対策を講じることにします」と述べた。