観光庁が行う宿泊旅行統計調査で、今年10月の日本人宿泊者数が3,296万人を記録した。3,000万を超すのは8カ月ぶりとなる。
「宿泊旅行統計調査」は、観光庁が国内の宿泊旅行の実態を把握するために行うもので、2015年4月から毎月実施されてる。対象は標本理論をもとに抽出された全国のホテル、旅館、簡易宿所、会社・団体の宿泊所など。
11月30日に発表された「2020年度10月分」の第1次速報値では、ひと月の延べ宿泊者数が3,324万人 。日本人にしぼった場合の宿泊者は3296万人で、前年同月比から17.2%減という結果が出た。3,000万の大台を突破したのは8カ月ぶりだ。なお、外国人宿泊者数は28万人で、前年同月から97.3%減となった。
10月の日本人の宿泊者数がはねあがった要因として、「GoToトラベル」事業の東京追加と地域共通クーポン制度の開始が大きいだろう。東京発着の「GoTo」対象旅行は発売直後から人気が集中し、10月の連休中は、各地の観光名所で久々に大勢の人がにぎわう光景が見られた。
現在、政府内では来年1月末までを予定していた「GoTo」事業をGW直後まで延長する方向で検討しており、経済回復と観光業界支援の柱として期待されている。
一方、11月は全国で感染が拡大。札幌・大阪市など事業の取り扱いを停止する地域も出てきており、年末にかけて宿泊者数は減少すると見られる。