プリンスホテルは、NTT 都市開発が開発・経営する、元京都市立清水小学校跡地にホテルを、2019 年夏頃の開業で予定している。また、「パークハイアット京都」も2019年秋に開業を予定する。国税庁の路線価で全国上昇率2位となった京都市東山区のホテル出店状況と合わせてレポートする。
清水寺近く、歴史ある小学校をホテルにリノベーション
元京都市立清水小学校の跡地活用については、京都市の公募により 2016年5月に NTT都市開発が事業者として選定された。開業予定地は、世界文化遺産「古都京都の文化財」の一つである清水寺から徒歩 約 8 分と好立地の場所に位置しており、また京都の町が一望できる高台に建っているためホテル最上階から京都市を一望できるほか、敷地内からは東山エリアのシンボル、法観寺の八坂の塔を望むことができる。
元京都市立清水小学校は、日本初の学区制小学校とされる「番組小学校」(室町時代の町組をルーツとする「番組」を学区としたので「番組小学校」と総称された)のひとつとして 1869年に開校して以来、2011年に閉校するまでの間、多くの生徒や市民に親しまれてきた。校舎は、レトロな雰囲気を纏い、周辺の景観とも調和する昭和初期に建てられた歴史ある建築物。
この美しい小学校が、客室数約 50室、レストラン、バーなどを有するホテルとしてリノベーションし、生まれ変わる。
ホテルのコンセプトは「記憶を刻み、未来へつなぐ」。地域の歴史や人々の思いを継承しながら、訪れた人や地域の人に新たな思い出が刻まれ、また未来へと受け継がれていくようなホテルにしたいという思いを込めた。
所在は、京都市東山区清水二丁目及び清水四丁目で名称は未定だ。
出典:プリンスホテル
京都市東山区のホテル出店状況
メトロエンジンリサーチによると、東山区には現在宿泊施設が449あり、部屋数としては3,955が提供されている。同地域では古民家なども多く、民泊物件も757室提供されている。
新設ホテルとしては同ホテルのほかに、「パークハイアット京都」が客室数70、2階建て(地下4階)で2019年秋の開業を予定している。
出典:京大和
京都市東山区、路線価上昇率近畿トップ、全国でも2位
今月2日公表された路線価で、大阪国税局が発表した近畿2府4県では、京都市東山区が上昇率トップ(25.9%)となり、全国でも北海道ニセコエリアの倶知安町に次ぐ2位となった。
東山では、同プリンスホテルやパークハイアット京都などの新設ホテルの開業予定に見られる通り、料亭や元小学校、古民家を宿泊施設に活用する動きが活発化しており、外国人観光客の急増により中国などの海外の投資家を含めて注目を集めている。
【関連記事】