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大阪ホテル開業ラッシュー大阪市中央区で生き残る鍵とは

投稿日 : 2018.09.26

大阪府

ホテル統計データ

新規ホテル情報

大阪の新規ホテル開業や計画が相次いでいる。客室稼働率においても、ほぼ全ての月で東京を上回り全国1位を獲得しており、いま最も宿泊需要の高いエリアと言える。今回は、大阪で出店数最多の「大阪市中央区」について出店状況、進出の要因、レビュー分析から激戦地での戦略を分析する。

大阪市中央区のホテル展開状況、オフィス街にまでホテルが進出

メトロエンジンリサーチによると、2017年以降の大阪の出店合計数上位5地域は以下のグラフの通りであった。グラフ上の出店数値は、2017年以降の出店実績値および予定値が含まれる。その中でも、中央区の出店数は飛び抜けて高く推移していることがわかる。

出典:メトロエンジンリサーチ

中央区は、大阪市の中央に位置する行政区でもあることから、大阪市全体の中枢を担うエリア。梅田を中心とした「キタエリア」や関西国際空港からのアクセスが良いほか、心斎橋、なんばといったミナミの繁華街や大阪城があることで、観光客でにぎわう大阪市の心臓部である。

また、多くの企業が拠点とするほか、現在も中央区に本社を置く大企業もあることから、オフィス街や商業地が占める商業エリアでもある。

そんな大阪市の経済・産業を牽引する重要なエリア・中央区における新規ホテル出店数は、上記グラフでは、2017年から2018年現在にかけてすでに約2倍の伸び率を見せており、2018年の出店数は過去最大となる見込み。

現在の中央区の宿泊施設数については、メトロエンジンリサーチによると、宿泊施設が288、部屋数27,930、新規開業予定が51軒、部屋数にして8,500の提供が予定されている。

大阪市中央区のホテル出店状況を示すマップは以下の通り。(紫のハウスマークが新規開業予定ホテル、色作りのサークルが既存宿泊施設で大小は部屋数規模を示している。)

出典:メトロエンジンリサーチ

繁華街となる南部の心斎橋筋から道頓堀にかけて既存施設が集中している一方、今後の開業予定ホテルは、特に北西部のオフィス街である船場中央に集中していることがわかる。増加する観光客に対応するため、これまでホテルが少なかったオフィス街にまでホテル出店を拡大している模様だ。

また、同地域での開業予定ホテルをみてみると、「クレタケイン大阪御堂筋本町」、「ユニゾインエクスプレス大阪南本町」、「ホテルリブマックス大阪本町」をはじめとしたビジネスタイプのホテルの出店が多いことから、オフィス街へ訪れやすいビジネスマンを取り込もうとする意図もうかがえる。

激増する訪日客、供給客室の不足、MICE開催

中央区の宿泊施設が急増している背景として、なぜこれほどまでに供給数の増加が必要とされているのだろうか。理由としては、訪日外国人の急増と供給客室の不足、大規模なMICEの開催予定がある。

大阪府が独自調査した来阪外国人旅行者数によると、平成29年度の訪日客来阪者数は主要5カ国だけで約1,110万人であった。関西国際空港の旅客数も3年連続で過去最高となる2,880万人を記録していることから、訪日旅行客は増加する一方だ。

では、中央区にはどれくらいの訪日客が訪問しているのだろうか。具体的な数値は開示されてないものの、参考として大阪観光局が発表する訪日客満足度ランキングによると、大阪で訪れた場所の上位には、1位道頓堀や2位大阪城、4位日本橋(大阪)など大阪市内でも特に中央区の観光地に集中していることがわかる。

出典:関西国際空港 外国人動向調査結果

また、大阪府が、観光庁発表の「宿泊旅行統計調査」から、大阪府域を5つのエリアに分けた大阪の延べ宿泊者数・外国人延べ宿泊者数によると、平成28年度の大阪市域における延べ宿泊者数が約2,600万人となっているが一方で、大阪市内の全客室数の年間提供可能数は約2,900万室と逼迫している。

また、中央区においては、全客室数の年間提供可能数が約1,019万室であり、約1,110万人以上の来阪訪日客に対応するには、観光客が集まりやすい中央区だけでは客室数に余裕がないことがわかる。

さらに今後、2019年のG20サミットの大阪開催、ラグビーワールドカップ (大阪・花園開催)、2020年東京オリンピック/パラリンピックや2025年の大阪万博誘致などの大規模なMICE開催が予定されており、よりいっそうの観光客増が見込まれることも、中央区での供給数増加に拍車をかける要因となっている。

レッドオーシャン化する中央区で生き残る鍵とは

来阪観光客が増加している中央区だが、今後は供給数の増加に伴い、生き残りをかけたホテル競争の激戦地化、「レッドオーシャン」となることも予想される。

生き残りを探るヒントとして、メトロエンジンリサーチによる、各種OTAへの口コミ投稿を基にしたレビュー分析によると、中央区の既存宿泊施設で最も平均的に高く評価されているポイントは「料金」(4.29)で、次点で「立地」(4.12)、「サービス」(4.09)と続いたが、最も評価が低いポイントとしては「飲食」(3.71)であることがわかった。

元々好立地である中央区では、立地の評価が高くなる傾向があるが、それに加えて、適正な料金設定とサービスで顧客満足を獲得しているホテルは競争力をある程度維持できるといえる。

さらに今後、他のホテルとの差別化を図るためには、現在中央区の中でも平均的に評価が低い傾向にある飲食に力を入れていくことが評価を上げるポイントとなるのではないだろうか。

 

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