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沖縄県がクルーズ船拠点を目指し「東洋のカリブ構想」を推進

投稿日 : 2018.05.07

沖縄県

インバウンド

沖縄県は、2018年4月に「東洋のカリブ構想」を発表し、東アジアのクルーズ拠点となることを表明。その取り組みと課題とは。

東洋のカリブ構想 “The Caribbean of Asia Concept”
沖縄県が2018年度から沖縄を東アジアのクルーズ観光の拠点にする「東洋のカリブ構想」を掲げて取り組みをはじめた。沖縄を「拠点港」に押し上げ、地理的優位性を生かし、拡大する東アジアの市場を取り込む包括的な構想として、多様な寄港地開発の推進、南西諸島周遊クルーズの誘致、フライ&クルーズの促進、クルーズ展示会の誘致などを実現したい考え。
「東洋のカリブ構想」では、南方へ拡大する中国のクルーズ市場による沖縄の地理的優位性の高まり、国内外の豊富な航空路線網や近接する空港と港湾などのインフラ、沖縄が持つクルーズ目的地としての魅力を最大限活かし、将来的に東アジア地域でナンバーワンのクルーズエリアとしてのポジションを確立することを目指していく。

なお、中南米カリブ海はクルーズ船のメッカとして知られ、年間を通じてクルーズ船が就航している。発着地はフロリダ州のフォート・ローダデール港やマイアミ港がメインとなっており、米ディズニーワールドのクルーズ船などが大変な人気を誇る。

東洋のカリブ形成に向けた3ステップ
沖縄県では東洋のカリブ実現のためのロードマップとして以下のような3つのPhaseを描いている。

Phase 1 (2018年~)
・クルーズ商談会でのプレゼンテーション実施、セッションへの参加
・クルーズ船社訪問、FAMツアー(企業向けに現地情報を提供するためのツアー)の実施などによる誘致活動強化
・県内クルーズ関係者との情報共有・連携強化(ネットワーク構築)
・クルーズ船を受入可能なバース(停泊地)及び専用ターミナルの整備(国・各港湾管理者等)

Phase 2 (2019年~)
・フライ&クルーズ(飛行機で向かって海外の港から出発する)の促進
・シートレード・クルーズ・アジアパシフィックの沖縄開催の検討(2020年~)
・南西諸島周遊クルーズの誘致(チャータークルーズor船社による自主クルーズ)
・沖縄でのクルーズ客のターンアラウンド港(乗客乗せ替え港)化
・台湾の基隆や中国の厦門など他の海外港との連携強化によるクルーズ航路の多様化

Phase 3 (2021年~)
・那覇港第2クルーズバースの整備
・宮古島の平良港と下地島空港を活用した宮古圏域での国際リゾート地の形成
・クルーズセンター(ターミナル、ショッピングセンター、ホテル、プールなど の複合施設)の立地、ホテルシップ(クルーズ客船を一定期間にわたりホテルとして活用するもの)の誘致など民間投資の促進
・クルーズ船社の沖縄支社・支店の立地、船舶関連産業の集積

とし、これにより沖縄クルーズ戦略として、2021年度の「海路による外国人観光客数」を200万人とする目標を設定している(2017年実績では、88万8,300人)。また、経済効果600億円を目指す。

日本政府は、クルーズ船で入国する外国人の数を2020年までに500万人にまで増やすことを目標に掲げており、「官民連携による国際クルーズ拠点」を形成する港湾として、横浜港・清水港・佐世保港・八代港(熊本県)・本部港(沖縄県国頭郡本部町)・平良港の 6港湾が選定されており、沖縄県は6港のうち2港を占める重要拠点として期待されている。

滞在時間と消費の拡大が課題
クルーズ船の来航は滞在時間が短く、現地での消費額が小さいことが課題として指摘されている。課題を解決するには、客数の拡大とともにいかに消費額を拡大させられるかの視点が不可欠と言える。
短時間の滞在でのショッピングや飲食の消費額拡大には限界があるため、日帰りではなく寄港地で宿泊してもらうことが経済効果としては大きい。
クルーズ船の統計においては、客数や寄港回数が注目されがちだが、今後は滞在時間と消費額をその基準として捉えることが重要になるだろう。

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