外国人観光客が5年で7倍に急成長した沖縄県で加速するホテル開発計画とは

全国的にホテル建築が活況の昨今、日本屈指の観光地として知られる沖縄県でも大規模なホテル開発計画が進められている。

データを紐解くと、沖縄県でのホテル開発は他県や他のエリアとは少々異なった特徴が見えてくる。本稿では、各種データを元に沖縄県におけるホテル開発の特徴をお伝えしていく。

 

2017年以降の沖縄県のホテル開発は郊外や離島中心

沖縄県で現在進められている、あるいはこれから進められていく新規開業ホテルは、沖縄第一の都市である那覇市ではなく、郊外エリア、離島エリアが中心となりそうだ。下表は、現在発表されている新規ホテル計画だが、これを見る限り郊外エリア、離島エリアの開発がメインということが分かる。

現在、ホテル建設地が発表されているプロジェクトは19計画あるが、そのうち那覇市での新規ホテル計画はわずか2計画に過ぎない。沖縄本島で那覇市以外の郊外エリアは9計画、石垣島や宮古島といった離島エリアが8計画が予定されている。

現在、全国的に新規ホテル開発が活況だが、北海道なら札幌市、大阪府なら大阪市といった具合に、その多くが各エリアで人口が一番多いエリアを舞台に開発競争が繰り広げられている。つまり、ホテル開発が活況な中にあって、沖縄県のホテル開発事情だけが異なっているのだ。

これは、沖縄県のホテル開発競争が第二段階に入ったことを意味する。実は沖縄県では2006年頃からを中心に大規模なホテル開発が行われている。この時の新規ホテル開発だけで那覇市内には約1万室の客室が増えたと言われており、開発が可能なエリアもほとんど残されていない。

もともと沖縄には安さが魅力の宿泊特化型民宿が数多くあり、これにも一定の需要がある中、約10年前のホテル開発で那覇市内のホテル開発は一段落ついたというのが現在のところである。本島でもホテル開発が活況だが、その中心は、開発エリアが残されていない那覇市よりも郊外が中心という図式なのである。

出典:メトロエンジン リサーチ

離島エリアの開発が活況な理由とは

沖縄県は、日本屈指の観光エリアで通年を通して日本人観光客、外国人観光客ともに国内トップクラスの数を記録している。もともと人気観光エリアとして観光客数は安定して多かったが、特にここ数年の伸び率は目をみはるものがある。

沖縄県によると、2016年度に沖縄県を訪れた日本人観光客は、664万人あまりであった。これは対前年比で37万人あまり増加している。また、外国人観光客数は約213万人で、前年から約46万人が増えている。加えて、宮古島や石垣島といった離島エリアの観光客数も伸びている。2016年度は史上初めて観光客数が120万人を突破して126万人あまりを記録した。10年前の2006年度は約78万人だったことを考えると、この10年で離島エリアを訪れる観光客は実に1.5倍に増えたというわけだ。

これまで大規模なホテル開発があまり行われてこなかった離島エリアだけに、これだけ観光客が増えると当然、宿泊施設が足りなくなるという状況に陥ってしまう。加えて、これまで開発がされてこなかったということは開発可能な土地が数多く残されているというわけだ。観光客数の増加と開発エリアが確保しやすいこと、主にこの2つの理由から離島エリアでの開発が近年になって活況を呈しているというわけである。

出典:入域観光客統計概況(沖縄県)

 

地元企業より東京本社の企業がメインのホテル開発

現在の沖縄県の新規ホテル開発は、沖縄に本社を置く地元企業より東京に本社を置く大資本がメインである。これは何も沖縄県だけに限った話ではなく、昨今の地方都市のホテル開発は地元企業より東京に本社を置く企業が多いという図式がある。

現在進められている20計画のうち沖縄企業が主体のものが7計画、沖縄外の企業が13計画である。中には三菱地所や森トラストといった日本を代表するデベロッパーや、数々のリゾート施設を運営する星野リゾートも開発に乗り出している。また、日本企業と同様に外国企業も沖縄という土地に大きなメリットを感じているようで、嘉新水泥やマリオット・インターナショナルといった外資企業も直接開発に動き出している。

さらに、ハイアットリージェンシーやヒルトンといった世界的なホテルブランドの進出も計画されている。「ダブルツリー・リゾート・バイ・ヒルトン沖縄北谷」は開発業者はオリックスだが、運営はヒルトンが担う。

同様に、「ハイアットリージェンシー瀬良垣アイランド沖縄」の開発は東急不動産、NTT都市開発、ミリアルリゾートホテルズの3社が共同で行うが、運営はハイアットリージェンシーが行う。こうした世界的なホテルブランドの進出は最近の沖縄のトレンドである。「ダブルツリー・バイ・ヒルトン那覇」、「ザ・リッツ・カールトン沖縄」といった海外のホテルブランドがこの数年内にオープンしている。