プライスウォーターハウスクーパース(PwC)が27日、イギリスのホテル業界の市場予測「UK Hotels Forecast 2020」を発表した。同社の分析によると、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けたイギリスのホテル業界が新型コロナウイルス感染症が拡大する以前の水準に回復するまで、4年かかる可能性がある。
PwC は、2021年ロンドンのホテル稼働率は52・4%と、2020年と比べ81・9%上昇すると予測。しかしこの水準は「例年通り」から程遠いとした。
PwC の予測によるとイギリス全体の2021年ホテル稼働率は55%となり、2019年の水準まで回復するには4年かかる見込み。2008年の世界的な金融危機以来、約10年に渡り市場を拡大してきたホテル産業、またサービス業界全体にとって厳しい見通しとなっている。
新型コロナウイルスに関連する各国の規制の先行きが不透明であることから、ホテル業界の傾向を予測することは困難であるとしながらも、PwC は早期のワクチン開発が消費者の旅行意欲を盛り上げる鍵となると指摘。
英国ホテルの稼働率回復には、2008年の世界金融危機からの回復よりも時間がかかる見込み。PwC は、2021年に利用可能なワクチンが開発されたとして、ロンドンの RevPAR が2019年の水準まで回復するのは2024年、イギリス各地方は2023年初期となる見込みであると発表した。
英国でも、旅行需要の落ち込みを受けホテル業界はステイケーションなど、新しいホテルのあり方、ニーズを作り出そうと模索している。一方で、PwCはロンドンのホテルはインバウンドの旅行客や、出張者、イベント参加者の利用が多いこともあり、ロンドンのステイケーション需要の増加には懸念があるとした。