ホテル特化型メディア

眠っていたデータから新たな付加価値を

トップ > ホテル関連ニュース > 東横イン、マインと連携し竹製アメニティとリサイクルを推進

東横イン、マインと連携し竹製アメニティとリサイクルを推進

投稿日 : 2025.04.10

指定なし

ホテル関連ニュース

株式会社東横インは、環境保全へのさらなる取り組みとして、株式会社マインが推進する国産竹を活用したバイオマスアメニティの導入を決定した。2025年4月1日より、東横INN全店舗において、国産竹を含むバイオマス歯ブラシとコームの提供を順次開始する運びとなった。

(出典:東横イン

国産竹を35%配合したバイオマスは、竹繊維が持つ高い強度を生かし、繰り返しのリサイクルを可能にする素材であり、循環型リサイクルを実現する。回収されたアメニティは、リサイクル可能な部分を新たなアメニティとして再生する一方で、歯ブラシのヘッド部分や廃包材などはエネルギー資源や再資源化に活用され、廃棄物を可能な限り削減している。

(出典:東横イン

さらに、国産竹の活用は日本国内で深刻化している放置竹林問題の解決にもつながる。竹は成長が非常に早く高密度で育成されるため、周囲の土壌に日光が届かなくなり、他の樹木の生育を妨げることがある。また、竹は根が浅く地盤を支える力が弱いため、豪雨時などに土砂崩れのリスクを高める要因ともなる。加えて、国産の竹は資源としての枯渇リスクが低く、安定供給が見込めるため、持続可能な原料としての価値が高い。放置竹林を解消し、適切に管理された竹林とするためには、ボランティアに頼らない計画的な伐採が欠かせない。そのためには、竹を製品として活用する出口を確保し、ビジネスとして成り立たせることが求められる。

株式会社マインは拠点を置く福岡県における放置竹林問題の解決に寄与しながら、環境負荷の軽減と資源の有効活用を推進している。マインは1979年の設立以来、宿泊施設向けアメニティの製造と販売を一貫して行い、安全で高品質な製品の提供に努めてきた。2024年からは竹を用いたバイオマス原料の製造に着手し、その原料を活用したアメニティの開発・販売のみならず、使用済みアメニティの買い取りと再生にも取り組んでいる。また、2024年春には国産竹を原料とする工場を稼働させ、化石燃料依存の低減に向けた環境対策事業を展開している。

(出典:東横イン

東横インも環境への取り組みを推進し、2021年にはプラスチック製アメニティの回収とリサイクルを開始した。2025年1月末時点で延べ171.6トンに及ぶ使用済み歯ブラシやコームを回収し、歯ブラシケースやアクセサリーケース、朝食用トレイなどに再生してきた。2022年12月にはフロントスタッフの制服を刷新し、不要となった旧制服約5トンをアップサイクルして旧制服の繊維を90%以上使用した「PANECO®」と呼ばれる繊維リサイクルボードを文字盤にしたオリジナル時計を制作した。さらに、このボードは古くなれば再び粉砕し成形することで再リサイクルが可能である。このほかにも、同様に「PANECO®」製のキャッシュトレイやデスクマットを採用し、一部店舗では荷物台としても活用している。これらの取り組みにより、東横インはホテルを利用する顧客に対して、環境問題への関心を高める機会を提供している。

合わせて読みたい
  • 年間9万本の歯ブラシ回収へ:グリーンズが...

  • メルキュール札幌、宿泊客の不要品を寄付に...

  • 持続可能な未来へ:リゾートトラストの食品...

  • 京王プラザホテル:全国初の古着回収ボック...

関連記事