パークホテル東京は、3月12日より新たに「窓と椅子(アーティスト:杉山佳)」「空中公園(アーティスト:きゃらあい)」「あめつち(アーティスト:金田涼子)」の3つのアーティストルームの販売を開始した。
「アーティストルーム」とは、壁に直接絵を描いたパークホテル東京の客室。「城」、「桜」、「歌舞伎」といった日本の美意識に沿ったアーティストルームが47室あり、それぞれ異なる作家の手によって制作されている。アートに囲まれた空間での滞在は、特別な記念日やクリエイティブな刺激を求める方にとって、忘れられない体験となるとのこと。
本記事では、3つのアーティストルームについて、パークホテル東京に取材を行った。
▷ホテル公式サイト:https://parkhoteltokyo.com/ja/
―――「アーティストルーム」の企画が生まれたきっかけや背景を教えてください。また、これまでどのようなゲストの反応がありましたか?

東日本大震災後、海外からの宿泊客が激減する中、他のホテルとの差別化を図るため、2012年に「アーティストルーム」プロジェクトをスタートしました。
コンセプトは「日本の美意識が体感できる時空間」。当初は期間限定のアート展示でしたが、より印象的な体験を提供するため、壁に直接アートを描くアイデアが生まれました。現在は31階の全室がアーティストルームとなり、34階の客室制作も進行中です。

宿泊客からは「ユニークで忘れられない」「記念日の思い出になる」「まるで自分の部屋のように感じる」といった高評価をいただいています。海外のリピーターからは「My Room」と親しまれています。
――― アーティストを選定する際の基準や、コラボレーションで特に大切にされているポイントについて教えてください。また、今回の3名のアーティストに依頼することになった経緯についてもお聞かせいただけますでしょうか。

パークホテル東京では、「日本の美意識が体験できる時空間」というコンセプトを大切にしており、それに沿った作品を制作できるアーティストを選定しています。また、ホテル客室という特性を理解し、それを踏まえた提案ができることも重要な要素です。
今回の3名のアーティストは、25階で開催される「ART Colours」展示会に参加しており、そのご縁で今回のプロジェクトに加わることとなりました。
―――今回公開された3室それぞれに関して、特に注目してほしいポイントや、他にはないユニークなこだわりがあれば教えてください。
作家の皆さんからのメッセージをお伝えしたいと思います。
– 杉山佳さん「窓と椅子」

まず部屋に入ると、大きな窓が印象的でした。室内それぞれの壁面に窓があったら良いなと思い、構成を考えました。
窓には部屋の内側と外側を繋ぎ、外界の風景を映し出す役割があります。そういう意味では絵画も外界を映すという意味では同じ効果があります。窓枠と絵画をそれぞれの壁面に配置しいろいろな景色を楽しめる部屋にしたいと思い制作しました。

私は普段、人物の見立てとして椅子を描いています。椅子や日用品を描くことで間接的にその持ち主を想起させるのが制作の狙いです。そして実際の窓の向かいの壁面にたくさん椅子を描きました。集合写真のような構図で描きました。
夜になると窓に椅子が映り込んで不思議な空間になることを期待します。
– きゃらあいさん「空中公園」

私たちの日常は、忙しさに追われているといつの間にかつまらないものになってしまうと感じられることがあります。そんな時、非日常を感じるために、知らない感情に出会うために、私たちは旅をするのだと思います。
この客室の窓からは、東京タワーやビル群、そして遠くには富士山が見え、私はこの景色がまるで非日常のゲームの世界のようにも見えて胸が高鳴りました。

壁に描かれた少女たちは、東京上空のこの公園で自由に軽やかに遊んでいる。旅行中の非日常をさらに感じながらもリラックスできる、パステルカラーでドリーミーな客室として仕上げています。
ゲームのような自由な冒険はずっと続くわけではないけれど、日々を楽しめる心はいつも持っていたい。そして、いつでも旅に出られる平和な日常を願っています。
– 金田涼子さん「あめつち」

この部屋名である「あめつち」とは、天と地を意味します。ホテル最上階という天空に近い場所に、私たちが普段生きる地上の風景を重ねることで、空と大地が交わる空間を表現しました。
描かれた大きなキャラクターは自然そのものを擬人化した姿であり、小さなキャラクターたちはその土地に残る記憶や痕跡などの目に見えないものたちを表しています。

巌をつたい流れる滝や、山々と富士山、太陽と月、空を飛ぶ鳥や足元で波打つ海など、さまざまな風景をひとつの部屋に閉じ込めました。
この部屋にご宿泊いただき、日本の自然とそれに伴って培われてきた文化を体感していただけると嬉しいです。
―――「アーティストルーム」での宿泊が、一般的なホテル滞在とは異なる体験や価値を生むとお考えの理由を、具体的にお聞かせください。

アーティストルームでは、単にアートを鑑賞するのではなく、アートの中に「泊まる」体験ができることが最大の特徴です。
画一的なデザインではなく、世界に一つだけの特別な空間であることも魅力。旅の思い出として、客室の写真を持ち帰る楽しみもあります。
―――このプロジェクトが始まってから10年以上が経過していますが、今後、どのようなビジョンを描いていますか?

アーティストルームの制作は現在も進行中で、最終的には全54室を完成させる予定です。
このプロジェクトを通じて、今後も日本の美意識を体感できる空間を提供していきたいと考えています。
■45室目のアーティストルーム 窓と椅子
制作者:杉山佳
部屋の制作テーマ:窓と椅子
制作期間:2024年11月18日から2025年2月6日まで
部屋番号:34階 3426号室 アーティストルームクイーン
価格:1室2名様定価 75,000円(税金・サービス料含む)※価格は変動制
販売方法:公式ホームページ、各種オンライン予約サイト または お電話にて
協力:靖山画廊 https://art-japan.jp/
■46室目のアーティストルーム 空中公園
制作者:きゃらあい
部屋の制作テーマ:空中公園
制作期間:2024年6月24日から2025年1月28日まで
部屋番号:34階 3409号室 アーティストルームクイーン
価格:1室2名様定価 75,000円(税金・サービス料含む)※価格は変動制
販売方法:公式ホームページ、各種オンライン予約サイト または お電話にて
協力:MASA ART
■47室目のアーティストルーム あめつち
制作者:金田涼子
部屋の制作テーマ:あめつち
制作期間:2024年5月13日から2025年1月31日まで
部屋番号:34階 3428号室 アーティストルームクイーン
価格:1室2名様定価 75,000円(税金・サービス料含む)※価格は変動制
販売方法:公式ホームページ、各種オンライン予約サイト または お電話にて
協力:MASA ART
■ホテル概要
名称:パークホテル東京
所在地:〒105-7227 東京都港区東新橋1丁目7番1号 汐留メディアタワー(フロント25F)
TEL : 03-6252-1111(代)
FAX : 03-6252-1001
チェックイン:15:00
チェックアウト:11:00
アクセス:汐留駅直結、新橋駅より徒歩7分
公式サイト:https://parkhoteltokyo.com/ja/