(出典:株式会社帝国データバンク)
株式会社帝国データバンクが行った「旅館・ホテル業界」の2022年度市場調査・分析結果によれば、業界の約6割が増収基調であり、コロナ禍の影響で消滅した旅行需要が回復の兆しを見せている。2022年度の市場規模は3.4兆円に達し、2023年度はコロナ禍前の水準まで回復する可能性があるという。
(出典:株式会社帝国データバンク)
約800社を対象に行ったこの調査では、増収企業の割合が62%(ホテル業態)と55%(旅館業態)であり、特にホテル業態の業績回復が目立つ結果となった。これは、訪日客を含む旅行需要の増加と、全国規模の旅行支援政策の影響によるものと考えられる。
また、2023年度以降、新型コロナウイルスの5類移行に伴う制限緩和と、水際対策の大幅緩和により、インバウンド(訪日外国人客)需要も急回復している。これにより、旅館・ホテル業界はコロナ禍の混乱から脱し、インバウンド増による急速な回復の局面を迎えている。
その一方で、人手不足問題が業界全体の稼働率低下を引き起こし、今後の業績回復にブレーキをかける可能性がある。帝国データバンクの調査によれば、旅館・ホテル業界の人手不足は7割を超え、特にフロントスタッフや配膳、清掃などの現場で深刻化している。これに対する対策が求められている。(出典:株式会社帝国データバンク)