社会全体が2050年のカーボンニュートラル実現に向けて動き出すなかで、株式会社スーパーホテルは、業界唯一の環境大臣認定「エコ・ファースト企業」として、「サステナホテル」のビジョンを中心に据え、2043年度までのカーボンニュートラル達成を目指している。
(出典:株式会社スーパーホテル)
スーパーホテルは長年にわたり環境負荷の低減に取り組んでおり、2023年10月から全宿泊対象の「CO2実質ゼロ泊」を開始し、さらに実質CO2フリー電力への切り替えを実施した。これらの取り組みにより年間約24,000トンのCO2排出量削減が見込まれ、まずは2025年度内でのサプライチェーン排出量Scope1および2における宿泊時CO2実質ゼロの達成を目標に掲げている。
(出典:株式会社スーパーホテル)
スーパーホテルが環境への取り組みを始めたきっかけは2001年にさかのぼる。当時、熊本県水俣市から環境保全に協力してほしいとの要請を受け、環境ISOを取得したことが「サステナホテル」の出発点となった。ISO取得に伴い、省資源・省エネルギー・リサイクルを推進した結果、建物や街並みが美しくなるだけでなく、環境に配慮した取り組みには地域住民や従業員までも元気にする力があることに気が付いた。以来、環境問題を重要課題に位置付け、省エネ設計やグリーンITの導入、ISO14001の取得などを通じてCO2削減を着実に進めてきた。2008年には、連泊時の清掃不要申し出や、使用しなかった歯ブラシと引き換えにミネラルウォーターや地域の菓子を進呈する、顧客参加型の「エコひいき活動」を開始した。
2010年には、「CO2実質ゼロ泊」の前身となる「ECO泊」をスタートさせている。これは、スーパーホテル公式サイトから予約すると、1泊分のCO2排出量をクリーンエネルギー事業への投資によって100%カーボン・オフセットするという内容であり、ホテル業界初の試みであった。カーボン・オフセットとは、排出された温室効果ガスの削減が困難な部分について、植林や森林保護、自然エネルギー事業への支援などで埋め合わせを行う仕組みである。2024年3月末時点で「ECO泊」による宿泊数は延べ2,543万6,627泊に達し、累計で135,464トンものCO2排出量をオフセットしてきた。2011年にはこれらの活動が評価され、業界で唯一、環境大臣より「エコ・ファースト企業」に認定された。
(出典:株式会社スーパーホテル)
2024年10月1日からは「ECO泊」をさらに進化させ、公式サイト予約限定から全宿泊対象とした「CO2実質ゼロ泊」を導入した。さらに、全店舗で使用する電力を非化石証書調達による実質CO2フリー電力へと切り替えた。これらの取り組みにより、年間600万泊弱で24,000トン相当のCO2排出量削減が見込まれる。
スーパーホテルはホテル業界におけるサステナブルのトップランナーとして、単なる環境配慮型ホテルにとどまらず、地域社会と共に発展し、地方創生にも貢献する存在を目指している。