一般社団法人 新経済連盟(所在地:東京都港区、代表理事:三木谷浩史)は2020年12月3日、「観光立国復活へ向けた緊急提言」を国土交通省及び観光庁に提出したことを発表した。
GOTO延長や感染症対策補助などを提言
提言では新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を受け、厳しい状況に陥っている観光業の復活に向け、アフターコロナのニューノーマル時代の観光モデルを確立し、国内観光産業の復活、地方創生の加速とともに将来的なインバウンド復活に向けた環境整備推進の重要性を訴えている。
主な内容としては「旅行需要の平準化」「感染フリーな受入体制の整備」「インバウンド回復に向けた環境整備」の3点を提言。感染対策の支援手法としては、感染対策にかかる費用の法人税からの控除が有効としている。
■旅行需要の平準化
旅行需要の平準化では以下の3点を提言。
1.ワーケーションの推進
2.小中学校の休日分散化や遠隔授業の推進
3.GOTOキャンペーンの期間延長及び平日利用の推進
ワーケーションの推進と小中学校の休日分散化や遠隔授業を推進することで平日に家族旅行がしやすくなり、平日需要を喚起することで、観光地の混雑解消することができ、密を避けることができるとしている。必要な対策として、GOTOキャンペーンのビジネス利用再開や学校・地域単位での休日設定について国の指針を発出し、自治体や各学校の自主的な取り組み促進を挙げている。
またGOTOキャンペーンは需要換気策として有効なことから延長を希望。さらに平日の利用を促進するため、平日割引率を加算を提案している。
■感染フリーな受け入れ体制の整備
感染フリーな受入体制の整備として、施設の感染症対策への補助や税控除を挙げている。例えばパーテーションや消毒液、キャッシュレス決済促進のため端末導入の補助などだ。感染症対策を十分施した施設の改修・改築・新築を促すため、建築基準法の規制緩和または特例措置の導入も訴えている。
また感染回避のためマイカー移動が増加傾向にあり、渋滞や駐車場不足が懸念されため、対応策として公共駐車場の拡充や高速道路の深夜割引(一般車と観光事業者が旅客用に運行するバス限定)、自動運転などの規制緩和を提言している。
他にも密にならないアクティビティの利用促進やビジネスイベントやエンタメ・スポーツ施設の活用・支援についても言及している。
■インバウンド回復に向けた環境整備
国外の日本への旅行需要の高さから、インバウンド回復に向けた環境整備も提言している。
主な提言内容は以下の通り。
1.空港の受け入れ体制整備支援
2.空港事業者の競争力強化支援
3.医療機関のサポート強化
4.観光施設における多言語環境の整備
5.新たな需要の喚起(eスポーツ、ヘリコプター、食を通じたコンテンツの充実)
6.国内宿泊事業者の競争力強化支援
国内宿泊事業者の競争力強化支援については、GOTOキャンペーンの外国旅行者の追加や宿泊税・入湯税等の税制の撤廃や簡略化などを挙げている。