品川プリンスホテルは、持続可能な未来を見据えたリサイクルマネジメントの取り組みとして、本年4月より「品プリグリーンループ(通称:しなループ)」を始動した。この取り組みにより、同ホテルではジャムレタスの収穫に成功した。
しなループは、ホテル内のブッフェレストラン「LUXE DINING HAPUNA」で発生する食べ残しなどのフードロス資源を回収し、乾燥・減量処理を行った後、リサイクルプラントで肥料へと再生する仕組みである。その肥料を用いて野菜を栽培し、資源循環を実現する取り組みとなっている。
今回収穫されたジャムレタスは、西武アグリ株式会社が運営する農園で土耕栽培されたもので、旨味と栄養が凝縮された高品質な野菜に仕上がっている。収穫の場には、総料理長および「LUXE DINING HAPUNA」料理長が立ち会い、順調な育成状況に満足の表情を見せた。ジャムレタスは、同レストランでサラダメニューとして提供されており、宿泊者や来館者にサステナブルな取り組みを実体験してもらう機会となっている。
品川プリンスホテルでは、これまでも規格外野菜や代替食材を用いたメニューの展開を通じて、フードロス削減や食の多様性への対応に努めてきた。今後は、環境負荷の少ない栽培方法で育てられた野菜の使用をさらに進め、環境への配慮を深める方針である。
しなループ導入の背景には、フードロス資源を有効活用することが、環境負荷の軽減および循環型社会の構築に不可欠であり、ホテル業界にとっても避けて通れない課題であるという認識がある。日本最大級の規模を誇る同ホテルは、安全・安心を基本としながら、環境に配慮した姿勢を国内外のゲストに発信していく構えだ。
さらに、本年3月に開業したTAKANAWA GATEWAY CITYが掲げる「100年先の心豊かな暮らし」という理念にも共鳴し、ホテルコンセプト「FUN! Goes On」に基づき、「選ばれ続けるためのFUNの創造」と「いつまでもFUNを続けていくための責任」の両立を目指している。
西武・プリンスホテルズワールドワイドでは、「サステナビリティアクション」を掲げ、プラスチックごみ削減や食品ロス対策、自然エネルギーの活用、自治体との連携による環境保全などを全社的に推進している。これらの取り組みは、6つの重要テーマ(マテリアリティ)を軸とした戦略に基づいており、従業員一人ひとりが社会や環境のために行動することで、持続可能な社会の実現を目指している。