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【取材】「HAJIMARI Beppu」2023年9月開業。別府の文化に出会う〝はじまり〟となり、暮らすように滞在できる宿

投稿日 : 2023.07.31

大分県

ホテル関連ニュース

「DABURA.m(ダブラエム)株式会社(以下、DABURA.m)」は、宿やカフェ、ショップ、イベントスペースなどの複合施設「HAJIMARI Beppu(はじまりべっぷ)」を2023年9月に開業すると発表した。

同施設は、別府駅から徒歩圏内の別府市南部エリアで元酒類卸倉庫ビルを再生した施設。暮らすように滞在することが可能で、ワーケーションや滞在制作にも対応した宿泊機能を主にしている。

2020年に開業し、グッドデザイン賞ベスト100などさまざまな賞を受賞しているアートな温泉宿「GALLERIA MIDOBARU」を手掛けたDABURA.mが自社プロデュース。別府南部エリアの文化を発信し、地域との交流拠点として、さまざまな取り組みを行っていく場所を作っていくとのこと。

本記事では、「HAJIMARI Beppu」開業の経緯やこだわり、期待することなどをDABURA.mに取材した。

―――どのような経緯で別府に開業されることになったのでしょうか

建築事務所DABURA.mが縁あって別府にある築46年の元酒類卸業倉庫建物を購入したことがきっかけです。建物は1,2階が倉庫・店舗・事務所で、3,4階が元のオーナー住居でした。

まずは、建築事務所の運営と陶芸工房&ショップを1.2階でスタートしましたが、広い元倉庫部分と3,4階の活用は手付かずでした。

その部分の活用を考える中で、「地域デザイン」事業の一環として、地域の魅力やユニークなアーティストの活動を紹介し、新たな文化的な拠点となる宿に再生していくこととしました。

それにより、通常だと取り壊される建物を再生活用し、地域の発展にも寄与するモデルが作れるのではと考えました。

▲1Fスペースイメージ
▲ベッド&アート、キッチン、ワークスペースのイメージパース

―――「HAJIMARI Beppu」をプロデュースするうえで、こだわったポイントを教えてください

この場所に来ないと得られない体験や交流ができる場所にしたいと取り組みました。

弊宿が立地する場所は別府市の南部エリアです。古くからの別府市の中心地で多くの共同温泉があり、大正期に創業したパン屋さんや明治期創業の味噌蔵などもあり、現代アーティストも多く住んでいます。

温泉と結びついた人の暮らしが豊かなエリアなので、そのコミュニティーに自然と来訪者が混ざっていける入り口になるような場所になるよう心がけました。

具体的には、このエリアに関わりの深いアーティストに作品制作を依頼して展示したり、宿泊者は地域の様々な共同温泉に無料で入浴できる仕組みを作ったりしています。まち案内も充実させていて、オリジナルの冊子を作って名店や名所の由来や歴史まで伝えられるようにしています。

一方で、このエリアでは高齢化や人口減少、空き家の増加などの課題もあるのですが、ここに来て楽しんでくれた方は自然とそういった課題解決にも貢献していくということにもなればと思います。

▲HAJIMARI Beppu周辺の共同温泉

―――多くのアーティストやクリエイターが参加されていますが、その中で良かったことや苦労したことがあれば教えてください。

アーティストと仕事をすると、空間使いの天才だなと感じることがよくあり、自分たちの常識をいい意味で揺さぶってくれます。それは大変だけど楽しい。

異なるものが出会って化学反応が起きるような場にして行きたくて、そこには呼び水となるアートワークが欠かせないと思い彼らに依頼したのですが、自分たちの想像の枠をはみ出た結果につながっていくこともあり、やはり良かったなと思います。

今回のスタートでは8組のアーティストに声を掛けていますが、本当はもっともっと関わってほしいアーティストがいます。これからも企画展をやったり、トークやワークショップを企画したり、様々なかたちで関わってもらいたいし、出会っていきたいと思っています。

―――地域再生とゲストと地域の人々との交流も目指しているとのことで、1階をカフェやイベントでの交流スペースとされています。どのような交流や絆が宿泊客と地元の人々の間に生まれることを期待していますか?

実はこれまでも、館まるごと若いアーティストたちに空間を解放する空間実験や、パフォーマーの公演、文筆家甲斐みのりさんのトークライブなど様々な交流の機会を作ってきました。

▲左 2022年10月開催「勝正光個展」の様子。右 2021年開催「空間実験アキバのあきば」の様子。
▲2022年10月開催「湯の上FOREVER」左は蓮沼執太、右は若林美保のパフォーマンスの様子。

別府の人たちは昔から湯治客を受け入れてきたこともあり、新しいことに寛容でとにかくフレンドリーです。機会さえあれば、他地域から来た人と地元の人が勝手に混ざって繋がっていくような感じがあります。

様々な企画やまち案内で地元の人と来訪者が繋がる機会をつくり、別府は友達が沢山いる「第二の地元」だと思ってもらえるような人を増やして行きたいです。

―――最後に読者へのメッセージをお願いします

別府の魅力は、世界有数の温泉はもちろんですが、昔から色々なところから様々な人がやって来て、独特な文化を作ってきたところなので、まちと人がとても面白いところです。

そんな別府の面白さの中に、ぜひ混ざって浸かってもらえれば嬉しいです。心も身体もほぐれていくような滞在ができると思います。短期ではもちろん、中長期でも、お仕事や制作物を持ちこんでゆっくり過ごしてもらいたいです。

HAJIMARI Beppuでは別府を楽しめる様々な入り口を用意していますので、お風呂屋にいく感覚で気軽にお越しいただければ幸いです。

■HAJIMARI Beppu概要

名称:HAJIMARI Beppu(ハジマリベップ)
プレオープン:2023年9月3日(日)
オープニングセレモニー&メディアツアー: 2023年9月24日(日)10:00-11:00(招待者及びメディア関係者限定)
グランドオープン内覧会:2023年9月24日(日)12:00-15:00(一般向け)
グランドオープン:2023年9月25日(月)
営業時間:チェックイン15:00 / チェックアウト11:00
住所:大分県別府市千代町5-1(別府駅より徒歩13分)

■プロデュース・運営

DABURA.m 株式会社(ダブラエムカブシキガイシャ)
代表取締役 光浦高史
TEL 0977-76-8744
FAX 0977-76-8761
E-mail web@dabura-m.info
HP https://hjmr.jp/

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