米投資ファンドのベインキャピタルは、全国で約40施設のホテルや温泉施設を展開する「大江戸温泉物語ホテル&リゾーツ」の全株式を米投資ファンドのローン・スターに売却すると発表した。
21年2月期の最終損益は107億円の赤字
株式売却は2月末を予定しており、金額は未公表となっている。
ベインキャピタルは2015年に大江戸温泉物語の全株式を約500億円で取得。買収以降、収益を伸ばしていたが、新型コロナウイルス感染拡大により、臨時休館を強いられるなど打撃を受け、集客が落ち込んでいた。コロナ禍が長期化したことにより、他ファンドへの転売が余儀なくされたと見られる。
大江戸温泉物語は01年に創業。経営難や後継者不足の温泉旅館を買収し、規模を拡大してきた。ベインキャピタルは15年に全株式を取得。ベインキャピタルはさらなる追加買収により運営施設を増やし、16年には保有施設を組み入れた不動産投資信託(REIT)を立ち上げ、東京証券取引所に上場させた。
しかし新型コロナ感染拡大後は全国の施設で集客の落ち込みが続き、決算公告によると21年2月期の最終損益は107億円の赤字だった。
大江戸温泉を買収するローン・スターは日本では20年以上にわたり活動しており、全国のゴルフ場を買い集めてグループ化したPGMホールディングスなど、ホテルやゴルフ場運営の実績がある。