国内の大手旅行業者KNT-CTホールディングスは、傘下にある近畿日本ツーリストの個人旅行代理店を2022年3月末までに3分の1までに縮小すると発表した。
店舗数の縮小に合わせ、グループの従業員も3分の1まで削減するという。2021年1月からは35歳以上を対象に希望退職を開始し、新卒採用は抑制、さらに出向で人員を減らしていくという。
店舗の方は、個人旅行代理店は138店舗を約3分の1まで縮小。さらに団体旅行を取り扱っている店舗も95支店中25店を閉店する。
代理店の閉鎖に合わせて営業戦略をネット上に切り替え、航空券と宿泊券をセットにして自由に旅行プランを組み立てられる「ダイナミックプラン」に注力する。そして国内旅行ツアーブランドの「メイト」、海外ツアーの「ホリデイ」は2021年3月末で終了するという。
さらに今後は、研修旅行や地域交流事業のパッケージなど、専門分野に集約したサービスを展開する方針だ。KNTは現在、会員700万人の会員を擁する「クラブツーリズム事業」を提供している。これからは「新・クラブ1000事業」として、多様化する趣味に合わせさまざなクラブを構築し、地域営業もフランチャイズ化することで、より細分・専門化した新規開拓を進めていくとのこと。
KNTが大幅な経営縮小に舵を踏み切ったのは、新型コロナウイルスの感染拡大による業績悪化が要因だ。11月11日にKNTが発表した業績予想によると、2021年の3月までの業績は、過去最低の純利益170億円、営業利益250億円の赤字となる見込み。