(出典:株式会社FASHION X)
京王プラザホテル、FASHION X、京王電鉄は、環境負荷の低減と宿泊客の利便性向上を目的に、2月1日から京王プラザホテル館内に古着回収ボックスを設置し、不要な衣類の回収を開始する。ホテルにFASHION Xの古着回収ボックスが設置されるのは全国初となる。
京王プラザホテルは1971年の開業以来、幅広い客層が集う場として、ユニバーサルサービスの推進や排水・廃油の再利用、プラスチック削減、温室効果ガス排出抑制など、業界をリードする環境対策を実施してきた。こうした取り組みを通じて社会課題の解決に貢献し、持続可能な社会の実現を目指している。
FASHION Xは、京王電鉄が実施するエリア起点型の事業共創プログラム「KEIO AREA OPEN INNOVATION PROGRAM『ROOOT(ルート)』」の採択企業であり、2024年5月から京王線・井の頭線の一部の駅や施設に専用回収ボックスを設置し、古着回収を行っている。今回の取り組みは、「ROOOT」での実証実験を経て、京王電鉄がグループ会社への設置拡大を目指したことを契機に、京王プラザホテルとFASHION Xの協業として実現した。
京王プラザホテルには年間約80万人が宿泊しており、その約9割が海外からの訪日客である。旅行中に不要になった衣類を客室に残して帰るケースが多く、ホテル側にとっては保管や処分の負担が課題となっていた。館内4カ所に回収ボックスを設置することで、宿泊客の荷物を減らし、快適な滞在をサポートするとともに、衣類の資源化を促進することで環境負荷の低減と循環型社会の推進に寄与する。
回収ボックスは、本館3階のビジネスセンター前、本館47階のSKY PLAZA IBASHO、南館18階のランドリールームに設置され、本館19階のランドリールームにも2025年3月に設置予定である。回収対象となるのは、洗濯済みの再使用可能な衣類、フェイスタオルやバスタオル、ネクタイ、上下セットのスーツ、帽子、スカーフ、マフラー、バッグ、財布、アクセサリー類、着物、帯など。一方、汚れや破れ、シミのある衣類、靴、靴下、下着、布団、寝具類、カーペットなどは回収対象外となる。
また、ボックスには回収対象外のものを入れたり、内容物に触れるなどの行為を禁止するルールが設けられている。これにより、適切なリユース・リサイクル・アップサイクルを実現し、回収された衣類は今後も京王沿線を含む様々な場所で循環させる方針である。
本取り組みは、鉄道事業者が社会課題の解決や未来づくりを目指す「TRIP(Tokyo Railway Innovation Partnership)」の支援を受けている。京王電鉄は2022年度から、スタートアップ企業との共創やベンチャーキャピタルへの出資を通じ、オープンイノベーションの推進に取り組んできた。今回の協業により、ホテルの利便性向上に寄与するだけでなく、循環型社会の実現に向けた取り組みの一環として、今後も京王グループ施設への設置拡大を検討する方針である。