DeNAは、JR東日本と共同でDeNAが提供する個⼈間カーシェアリングサービス「Anyca(エニカ)」を活⽤し、JR東⽇本レンタリースの保有⾞両を無⼈にて貸し出すサービスの実証実験を今月6⽉、JR東⽇本グループのホテルなどへ拡⼤して実施。また、DeNAは人工知能(AI)を活用した需要予測システムを導入したタクシー配車アプリ「タクベル」のサービス提供を横浜・川崎で開始しており、AIを軸に自動車・交通分野への展開を本格化させている。
個人間カーシェアリング・サービス「Anyca」
DeNAの「Anyca」は、従来のレンタカーとは異なる個⼈間のカーシェアサービスで、車をシェアしたいオーナーと、必要な時に好みの車を使いたいドライバーをマッチングするサービス。
国内外の乗⽤⾞をはじめスポーツカーや旧⾞など様々で、現在都内を中⼼に13万⼈以上の会員、4,000台以上の車が登録されている。
オーナーは所有している車の遊休時間を有効に活⽤することができるため、家計を助ける便利サービスとして、 車を日中に家に置いているだけの男性だけでなく主婦層からの注⽬も集めている。
Anycaでは、個⼈間のカーシェアにおける鍵の受け渡しの利便性向上のため、スマートキーデバイスを開発している。
今回、DeNAは、JR東日本と提携することで、利便性の⾼いJR東日本レンタリースのレンタカーの無⼈貸出サービスを提供することにより、旅⾏先でのAnycaの利⽤をより推進していく狙いがある。
出典:JR東日本
JR東日本4ホテル・東京駅などで実証実験、北海道でも
同サービスはまだ実証実験の段階でありながら拡大が進んでおり、現状対象は以下のJR東日本のホテルや駅となっている。
(1) JR東⽇本グループの4つのホテル
・ホテルメトロポリタン仙台イースト
・ホテルメトロポリタン盛岡NEW WING
・ホテルメトロポリタン⼭形
・ホテルメッツ⽔⼾
(2) JR東⽇本レンタリースの駅レンタカー営業所
・東京営業所(東京駅)
・那須塩原営業所(那須塩原駅)
・勝浦営業所(勝浦駅)
・福島営業所(福島駅)
・新白河営業所(新白河駅)
・新潟営業所(新潟駅)
・長岡営業所(長岡駅)
・越後湯沢営業所(越後湯沢駅)
同実証実験は、6月一杯で実施され、その後はJR東⽇本グループが進めるオープンイノベーションの⼀環として、新たに参画する「JR東⽇本スタートアップ株式会社」が、事業化に向けたサービスの改善や効果検証を⾏う。
ホテルの宿泊客にとっては、同サービスの導入により、カウンターで⼿続きする⼿間なく⼿軽にホテルでレンタカーを利⽤でき、駅レンタカー営業所を営業時間関係なく24時間、利⽤が可能になるなどのメリットがある。
また、DeNAは同様のサービスをJR北海道(レンタリース)との間でも締結し、まずは旭川、新函館北斗、函館、東室蘭の4箇所にて実証実験を6月から実施する。
JR東日本、JR北海道共に、提供する車両は日産ノートで、JR東日本は5,000円〜/1日、JR北海道は4,000円〜/1日となっている。
出典:DeNA
DeNAのAI事業、需要予測システムのタクシー配車アプリも
また、DeNAは本年4月に、AIを活用するタクシー配車アプリ「タクベル」について実証実験を踏まえた機能改善を行いつつ、横浜と川崎エリアで正式サービスを開始した。
DeNAによると、タクベルは、神奈川県タクシー協会に加盟する県内の過半数のタクシー事業者への導入が決定しており、AIを活用した需要予測システムが、運行中のタクシー車両から収集するプローブデータ(自動車が走行した位置や車速などの情報を用いて生成された道路交通情報)とタクシー需要に関連する各種データ(気象、公共交通機関の運行状況、イベント、商業施設などのPOI情報(Point Of Interest:興味のある特定の場所)、道路ネットワーク構造など)を解析し、乗務員へリアルタイムかつ個別に走行ルートを推薦するもの。
タクベルは本年秋以降、全国展開を予定している。
DeNAは、主力のゲーム事業に加え、上記以外にも「自動運転プロジェクト」参画を含めた自動車事業に本格的に乗り出しており「交通機関のイノベーション」を掲げている。その他にも、eコマース、エンタメ、スポーツ、ヘルスケア等の多種多様な事業展開へ、インターネット技術が一般化する中で、次のDeNAの成長を支える柱として、ディープラーニングを中心としたAI技術をその中心に位置付けることで差別化し、展開を広げるため挑戦を続ける方針を示している。